特別付録[淫語辞典]   無断転載を禁ず        


1『姫始め』2000/09/12
 年が明けてから、初めてのセックスを“姫始め”という。大抵は、正月2日目と相場が決まっていた。昔は、大晦日から元旦にかけて雑用に追われ、徹夜をすることが多かった。元旦になればなったで、早朝から、若水を汲んで“書初め”をしたり“初詣で”に出掛けたり。とてもセックスなどしているヒマはない。2日目になって、やっと落ち着いたところで、コトをいたしたのである。
 いまでは、大晦日の夜はテレビの前に寝そべって“紅白歌合戦”を見る。それが終わると、“ゆく年くる年”の除夜の鐘に合わせて、ゴン、ゴンと女性のカラダを突きまくったりする。 旧年から新年にかけて、二年がかりのセックスということになる。つまり“姫納め”と“姫始め”を一回で済ませてしまおうというわけだ。
 さて“姫始め”をしたくても相手がいない男性は、どうすればよいか。勿論、そうした孤独な男性は、おのれの指を使って“カキ初め”をするっきゃない。

2『宝舟』
2000/09/12
 ご存じ、七福神を乗せた船。江戸時代には、正月2日の昼頃から、市中に“宝船売り”が出回った。紙に木版で宝船の絵が刷られていて
〈なかきよの、とおのねふりのみなめさめ、なみのりふねの、おとのよきかな〉
 という上から読んでも、下から読んでも同じの廻文歌が書き添えてあった。これを枕の下に敷いて、いい初夢が見られるように願ったのだ。
 こんな川柳がある。
<宝船皺になるほど女房こぎ>
“姫始め”が、よほど激しかったのだろう。
 ところで『古典四十八手』の中に“宝船”という体位があるので、ご紹介しよう。
 これは、女性上位。男性が仰向けに寝て、片脚を垂直に立てる。これを帆柱に見立てて、女性はその脚を抱えるように男の股の上に座り、腰を上下左右に揺すりながら船を漕ぐのだ。
 年の始めに、こうした縁起のいい名前の体位で交われば、今年の運が開けるかも……。

3『湯ボボ、酒マラ』2000/09/12
 正月は、なにかと酒を飲む機会が多いが、セックスをする場合、多少、男性のほうにアルコールが入っていたほうが、コトがうまく運ぶらしい。女性のアソコは湯上がりが良く、男性のアソコは酒を飲んでいたほうが良いというわけで“湯ボボ、酒マラ”と呼んだ。
 セックスのとき、男性は、とかくアセり勝ちなる。そんなときに酒を飲んでおけば、気持ちは興奮するが、神経は麻痺気味になるから“長持ち”するというわけ。一方、女性の湯上がりの肌というのは、シットリして抱き心地がいい。それに、風呂に入ると血行が良くなるから、敏感に反応するようになる。つまり 絶頂に達する時間が、男性は長く、女性は短くなる。これでピッタリいくのだ。
B不都合は亭主湯上がり女房酒 これでは、逆効果。よくラブホテルにいくと、女性と一緒に風呂に入ることが多いが、男性の長湯は禁物。肝心なモノがグンニャリして、役に立たなくなってしまう。勿論、酒のほうも飲み過ぎては駄目。過ぎたるは及ばざるが如し……。

4『筆おろし』 2000/09/12
B天筆をふるい和合の姫始め
“筆”は、男性の性器を指す隠語。例えば〈筆太〉といえば、巨根のこと。〈筆をおろす〉といえば、男性が初めて女性とセックスをすることを指す。
 昔、まだ赤線があった頃は
「お前も、そろそろ一人前の男になれ」
 ってんで、年頃になった童貞の若者を、先輩たちが赤線に連れ込んで“筆おろし”をさせたものである。赤線のお姐さんも心得たもので
「ボク、童貞なんです」
 というと、手とり足とり、親切丁寧にセックス指導してくれた。童貞男は、結構、赤線のお姐さんたちからモテたものだ。 ちなみに、女性が初めて男性と肉体を接することを〈船おろし〉という。女が船で、男は船頭。船を上手に操るためには、竿の差しかたて、面倒臭いじゃん。とにかく、いまどき童貞だなんて、よっぽどモテない証拠よ。それに、童貞って不潔な感じがするんだもの」
 時代が変われば、お姐さんたちの気持ちも変わるものだ。

5『九浅一深』2000/09/12
 カラオケで上手に歌うコツをお教えしよう。声に強弱をつけるのだ。これだけで、見違えるほど上手に聞こえる。セックスも同じである。
<人格者ただめちゃくちゃに突いている>
 腰の動きが一本調子では、女性を十二分に満足させることは出来ない。天文年間に出版された性書『黄素妙論』の“深浅利害損益之術”の中に
〈それ女人を素快ならしむること、あながち深く入るるにも因らず……〉とあるが、まさに、その通りだ。強く突きまくるだけでは駄目。浅い挿入の中に強い挿入を混ぜることで、腰動効果を高めるのである。
 古来、深浅法は、八深三浅、七浅九深、九深三浅……など諸説があるが、別に数にこだわる必要はない。要は、腰の動きにも強弱をつけること。このコツさえ呑み込めば、あなたもセックスのテクニシャン。
 もっとも“三擦り半”という早撃ちマック氏には、ちょっと無理な技法かも……。

6『一黒二雁……』2000/09/12
 女性が悦ぶペニスの順位を表した言葉。江戸末期に刊行された『子種蒔』という本の中に、一黒、二雁高、三反、四鉄砲、五麩、六白、七錐、八長、九大十小……とある。
 つまり、一番いいのが黒くて逞しいペニス。二番目がグランスの大きな雁高。つぎが、反り上がったペニス、という具合。 鉄砲は筒型。麩は、やや柔らかいペニスのことだ。白は、肌の色が白いモノ。錐は、先細のペニスを指す。
 また『女大楽宝開』の中には一麩、二雁、三反、四傘、五赤銅、六白、七木、八太、九長、十すぼえ……とある。
“麩マラ”を一位にしている理由は「麩のごとくやわらかにて玉門広き狭きを選ばず、開中にて太くなり、風味いたって締まりよきゆえ」なのだそうだ。
 また、大、長などが下位にあるのは「物を食べるのに、口一杯に頬張ってしまったのでは、その味を知ることが出来ない。適当な大きさを口に入れ、噛み返し、舌で味わうのがよい」というわけ。過ぎたるは及ばざるがごとし。巨根などを羨ましがることはないのだ。

7『印籠ボボ』2000/09/12
 スナックの女のコに
「印籠ボボって、なァーんだ」 と聞いたら、彼女はちょっと考えてから
「ひよっとしたら、アヌスセックスのことかしら」
 と答えました。ご存じ『水戸黄門』のドラマの中で
「この紋所が目に入らぬか!」 と言いながら、悪党の前に高くかざす楕円形の器。あれが印籠です。そんなわけで、彼女は黄門と肛門を関連付けたのでしょう。しかし、これは間違い。 昔の武士は、印籠に薬を入れて腰に下げ、常に持ち歩いていました。つまり、携帯用の救急箱というわけです。
 この印籠は、側面に紐が回してあって、この紐を絞ると蓋がピッタリ締まる仕掛け。そこで非常に良く締まる女性器を“印籠ボボ”と呼んだのです。
 膣の入口が締まるのを“キンチャク”と言いますが“印籠ボボ”のほうは、入口だけではなく、周囲の膣壁も一緒にキューンと締まります。つまり、黄門さまの印籠と同じように、威力のある名器なのです。

8『二握り茶摘み』2000/09/12
 これは、勃起したペニスの標準サイズとして、昔からよく使われてきた言葉です。両手でペニスの根元から二握りして、その先端が茶を摘むほどに飛び出る程度が、平均的な長さだといわれています。ところで
「主人のは、何aぐらいかな」 と思っても、妻が夫のペニスにモノサシを当てるなんて、なかなか出来るもんじゃありません。そんな場合、自分の手の親指を除いた4本の指の横幅さえ判っていれば、ベッドの中でも簡単にペニスの長さを計ることが出来るわけです。
 さて、親指を除いた4本指の横幅は、手の小さな女性の場合でも7aぐらい。これだと、二握りで14aです。さらに“茶摘み”を加えると、16aを越えてしまいます。つまり『二握り茶摘み』が平均的な長さだというのは、かなり誇張されているようですな。
 ちなみに、統計的にみた日本人のペニスの長さは、永田正夫博士の『日本人陰茎の平均値』によると、勃起時で12・7aだそうです。

9『千鳥の曲』2000/09/12
 ご存知、吉崎検校が作曲した琴の名曲ですが、これが隠語になると、フェラチオの意。一般的には〈尺八〉という隠語のほうが広く用いられています。フェラチオをしている仕草が、尺八を吹いている姿によく似ているからです。
 しかし、尺八では、どうも露骨な感じがします。そこで、尺と合奏をする琴に置き換えて、その代表作『千鳥の曲』を隠語として用いたわけですな。
 直接、尺八とは言わずに、ワンクッション置いて、琴の名曲を隠語に当たるなんて、なんとも粋じゃありませんか。
 現代の若い女性の間では〈ソフトクリーム〉とか〈オシャブリ〉などと呼ばれているようです。ところで、最近では、さほど抵抗もなくフェラチオをする女性が多くなりましたが、誠に結構なことですな。フェラチオは、前戯の際に、女性から男性に贈る最高のプレゼント。
「尺八のないセックスなんて、ただの摩擦運動に過ぎない」
 と極言する人もいるほどです

10『おちゃッぴィ』2000/09/12
 よく、ちょっとオマセな女児をつかまえて
「本当に、このコったら“おちゃッぴィ”なんだから……」
 などと言っている母親をみかけます。国語辞典によると〈おちゃッぴィ〉とは、オシャベリで、大人びていて、ちょっとお調子者の女のコのこと。
 しかし、これも元をただせば隠語なんです。漢字で〈お茶ッC〉と書くのですが“お茶”は女性の性器をあらわす陰名。類語には、茶壺、茶碗、茶入、茶臼……などがあります。“C”のほうは、分解すると毛と皮になりますから、我が国の隠語では“毛の生えた丘”ということになるわけ。つまり〈おちゃッぴィ〉とは毛が生え揃ったボボのこと。
「オマセな女のコは、アッチのほうも早熟で、年齢よりも陰毛が生えるのも早いだろう」
 というので〈おちゃッぴィ〉と呼ぶようになったんですな。だから、他人の女のコに
「まぁ、おちゃッぴィですね」
 なんて、うかつに言うもんじやありませんぞ。

11『逆碁を打つ』2000/09/15
 碁を打つときには、石を人差指と中指の間に挟んで、パチンと碁盤の上に置きます。この人差指と中指を、逆に、上向きにすると、ほら、卑猥な手付きになるでしょう。そうです。指先で女性のアソコを愛撫することを“逆碁を打つ”と言います。 昔の川柳に
B門口に、医者と親子が、待っ ている
 という句がありますが、これは、人差指と中指がホールの中に入っていて、薬指と親指と小指の3本は、陰門の外にあるという意味。
 もっとも、まだセックス経験の浅い女性の場合は、2本揃って中に入るというわけにはいきませんから、人差指も戸口で待つことになります。
 また、間口の広い女性が相手だと、手首のあたりまでホールの中にスッポリ納まっちゃう。こういうのを、最近は“フィスト・ファック”と呼ぶのだそうですな。
 ちなみに、女性が自分の指で逆碁を打つことを“指人形”と言います。

12『接して洩らさず』2000/09/15
 これは、江戸時代の学者、貝原益軒の『養生訓』の中に出てくる有名な言葉です。女性とセックスをしても、最終的に射精をしなければ元気を失うことはない、という意味。
 益軒は女好きで、自ら性病を貰うほど遊びまくった男ですから、ある程度は体験的に実証したのだと思いますが、もともとは中国の性典の受け売りです。古い中国の性典のほとんどに、これと似た言葉がみられます。 さすが、中国3千年の歴史が編みだした方法だけに、現代でも射精保留法やカレッツア法として、活用されています。
 ところで、セックスとは、射精の快感を楽しむものです。それを抑えて、なんの楽しみがあるのでしょう。中国の性典『玉房秘決』には、その問に答えて次のように記されています。
「射精した後は、カラダがだるくなって、耳鳴り、喉の渇き、目の疲れなどを覚える。一時の快感のために、結局は不快な思いをする。射精を抑えれば、気力の充実が衰えず、何回でも性交を繰り返すことができる。こうして数多くセックスをしたほうが、簡単に射精してはてるより楽しいではないか」

13『一盗二婢……』2000/09/15
 男性からみて、セックスをする場合、どんな種類の女性が楽しいでしょうか。これをbTまで並べたのが『一盗二婢三妾四妓五妻』です。
 1番目の〈盗〉は、他人の奥さんを盗む、という意味。つまり、人妻と浮気をするのが1番刺激的で、強い興奮を得られるということ。以下を順番に説明すると、2番目の〈婢〉はお手伝いさんで、つぎの〈妾〉は囲われ者の2号さん。〈妓〉は妓楼の女性。いまで言えばソープランドの女のコですな。そして最後の〈妻〉が女房です。
 他人の庭の花は美しい、といいますが、他人の奥さんは、とても魅力的に見えるもの。しかも、昔は、間男は重罪でした。だから、他人の奥さんを盗むには決死の覚悟が必要だったのです。そのスリルが、強い興奮と快感を生んだのでしょうね。
 女房が〈お茶漬けの味〉なら他人の奥さんは〈フグの味〉。アタるのを覚悟しても、食べてみたいというわけです。
 ただし、昔と違って、いまは間男しても、お咎めなし。人妻のほうからの積極的な浮気も盛んで、その分、スリルが薄れ気味。肝抜きのフグ料理みたいになってしまいました。

14『小田原提灯』2000/09/15
 円筒形の細長い提灯(ちょうちん)で、小田原の甚左衛門という人が考案したと言われています。折りたたんで携帯するのに便利なことから、旅行用に広く愛用されていたようです。
 外側に環状のシワがいくつもあって、ブラブラ、グニャグニャしているところから、勃起力が衰えたペニスのことを〈小田原提灯〉とか〈提灯マラ〉などと呼ぶようになったのです。また、のらりくらりとして、なかなか勃起しないことから、別名〈グズ郎兵衛〉などとも称されています。つまり、いまで言うインポテンツのことですな。
 ペニスが萎えていたのでは、いくら焦って腰を動かしても、うまくいくはずがありません。こういう状態のことを『提灯で餅をつく』といいます。
 インポテンツは、熟年男性の専売特許のように思われ勝ちですが、最近は、若い男性の中にも〈小田原提灯〉がかなり増えているそうです。
 さて、提灯は暗闇を照らすものです。そこで、挿入が困難なら、提灯の明かりを頼りに、観察するほうで楽しもうというわけで、提灯マラの男性は、とかく女性のアソコを覗き見ることが好きになるようですな。

15『逆さ富士』2000/09/15
 額の髪の毛の生えぎわが、富士山のような形をしているのを〈富士額〉とぃって、昔は、美人の必須条件でした。例えば、女性のカツラなどを見ますと、ほとんどが〈富士額〉になっています。芸妓さんなどは、額だけじゃ飽き足らず、襟足にまで白粉で富士山形に化粧するのが流行ったそうですな。
 ところで、襟足の場合は富士山が逆さになるわけで、京都の島原では、このような化粧法を〈三本足〉と呼んでいました。 さて、女性のカラダには、襟足の他にもう一カ所、富士山を逆さにしたような毛が生えている場所があります。そう、股の付け根ですね。隠語では、この部分を〈逆さ富士〉と称するわけですな。アソコがきれいな逆さ富士のならば“ボボ美人”といえますが、なかには頂上がパックリ割れて、ピンク色の溶岩がチラチラ見える三原山みたいなボボもあったりて、女性のアソコは、実に千差万別です。
 ここで、蜀山人の有名な狂歌をご紹介しましょう。
B裾野より、まくり見たるお富士山、甲斐で見るより駿河一番

16『糠並(ぬかなみ)』2000/09/15
 こんな小話があります。
 ラクダの背に高価な荷を積んで、アラビアの商人が娘と一緒に砂漠を旅していたのだが、途中で盗賊に襲われて、身ぐるみ剥がされてしまった。
「これで、私は無一文だ」
 嘆いている父親に、娘は
「いいえ、お父さん。私のダイヤの指輪は無事よ」
 と言った。父親が驚いて
「お前、そのダイヤをどこに隠していたんだ」
 と聞くと、娘は顔を赤らめながら、自分の股間に視線を落とした。それを見た父親は
「しまった。女房を連れてくれば、ラクダごと隠せたのに」
 いくら大きい穴でも、ラクダを隠せるというのは、ちょっとオーバー。しかし、この手のことは誇張して言うものと相場が決まっていて
「太平洋でゴボウを洗う」
 などという言葉が、巷間、よく使われているようです。
『糠並』も、これと同じような意味。糠に釘を打ち込んでも、まるで手ごたえがありません。つまり、穴が大き過ぎてスカスカした女陰を称して『糠並』と呼ぶわけですね。

17『弱入強出』2000/09/15
 中国の哲人・老子が、ペニスのピストン運動について面白いことをいっています。平田篤胤が編纂した『老子集語稿』の中に、つぎのような言葉が出ているので、ご紹介しましょう。
〈強入弱出、命当早卒。弱入強出、長生之術……〉
 これを直訳すると
〈強く入れて弱く出せば、命が短くなる。弱く入れて強く出すのが、長命の術です……〉
 となります。
 中国の古い性典をひもといてみると、この“弱入強出”を説いたものが非常に多いのです。 例えば『玉房秘訣』の中には〈玉茎堅ければこれを出し、弱ければこれを入れる。これを弱入強出という……〉
 とあります。つまり“弱入強出”は“柔入剛出”でもあるわけです。ペニスが堅いまま強く突き立てたのでは、男性は早くイキやすくなるから、長続きがしません。それに、強く挿入すると、女性によっては子宮を痛めたりします。
 もともと、ペニスの雁は、釣針と同じで、入れるときよりも引くときに威力を発揮するものです。“弱入強出”のコツをおぼえれば、あなたもセックスのプロフェッショナル……。

18『三ドブン』2000/09/15
 歌手のディック・ミネは、巨根の持ち主として有名で、こんなエピソードが残っています。 彼がまだ若い頃、一緒に巡業に付いていったバンドマンが、宿泊した旅館の廊下を歩いていたら、ちょうどディック・ミネがお風呂に入るところでした。 浴場の前に足を止めて、何気なく聞き耳を立てると、中からドブン、ドブン、ドブンと3回水音がした……というのです。 つまり、最初のドブンは左足で、つぎが右足、そして最後のドブンがアソコの音。
 もう、お判りでしょう。“三ドブン”とは、巨根の男性を指す隠語なのです。
「アイツの裸、見たことあるかい。顔に似合わず“三ドブン”なんだ。恐れ入ったよ」
 などと使います。
 このような巨根だと、銭湯に行って洗い場の椅子に腰をかけても、ペニスの先端が床板まで届いてしまいます。そこで、大きなマラを『板ねぶり』とも呼びました。現代風に言えば『タイルねぶり』ですね。
 こんな巨根をやっかんで、隣の男がいきなり洗い場の床に熱湯を流すと“三ドブン”氏は股間を押さえて飛び上がる……。 昔の銭湯では、こんな光景もたまに見られたようです。

19『千突き一叩き』2000/09/15
 性感は、意外な場所にあるものです。例えば、割れ目の下から肛門にかけて。ここは、俗に“蟻の戸渡り”といって、知る人ぞ知る性感のツボ。この部分を刺激されると、男も女も泣いて悦んじゃうという。まことに感じやすい場所なんですね。
 とかく若い男性は、穴ばかり突きまくって周辺への愛撫を怠り勝ちですが、この『千突き一叩き』は、それを戒める言葉といっていいでしょう。
 つまり、穴を千回突っつくよりも、蟻の戸渡りを一回叩くほうが効果的だという意味です。 実は、故意に叩かなくても、正常位でピストン運動を繰り返せば、棒の下にあるフクロがペッタン、ペッタンと蟻の戸渡りにぶつかります。人間のカラダというのは、都合良く出来ているものですね。
 でも、これではピストン運動のついでに叩いているようなもの。いかにも手抜き過ぎます。もっと積極的に、指なり舌なりを使って蟻の戸当たりを刺激してやれば、セックスがもっと楽しいものになるはずです。

20『芋田楽』2000/09/15
 田楽は、ご存知のように、コンニャクや豆腐を串刺しにして茹で上げ、それに味噌ダレを付けた食べ物で、関西では味噌オデンなどとも呼ばれています。 芋が串刺しなったのが、芋田楽ですが、これが隠語の世界では“親子丼”という意味。
 芋は、ペニスの俗称でもあるのですが、ここでは女性を指します。畑から芋を引き抜くと、大きいのから、子供のように小さいのまで、鈴成りに付いていますね。それを同じ串(男根)に刺して食べるから、母親と娘のカラダを同時に賞味をすることを、芋田楽というわけです。 年ごろの娘がいる未亡人なんかと付き合っていると、どうしても若い娘のほうに目移りがして、気がついたら芋田楽になっていた……なんて話は死は、世間によくあること。川柳に
Bおかしさは芋田楽で相孕み
 という句があります。芋田楽を食べたのはいいが、母親も娘も同時に妊娠。これじゃ、男はたまったものじゃありません。 ちなみに、古代インドの性典『カーマスートラ』には、ご親切にも親娘とセックスをするときの方法まで書いてあります。

21『朝麻羅』 2000/09/17
 早朝、目を覚ますと股間のムスコがモッコリ……。若い男性なら、誰もがこんな経験をしてるはずです。これは、モーニング・エレクションと言って、睡眠中に膀腔内に溜った尿が、性腺を圧迫して起こる現象です。 でも、昼間だって尿は溜るはずなのに“昼立ち”するという話は聞いたことがありません。 人間のカラダは、昼の間は性欲に対するコントロールが働いているのですが、睡眠中はそうした抑制から開放されるためにエレクションが起きるのです。 よく〈朝麻羅が立たぬ奴に銭を貸すな〉と言って、活力のバロメータのように見ます。つまり、朝麻羅が立つほど性欲があればカラダが元気な証拠。まだまだ働き盛りだから、借金をしても返済能力はあるだろう、というわけです。
 ちなみに、キンゼイ博士のレポートによると、モーニング・エレクションが一番多い年代は31歳から35歳まで。やはり、働き盛りの年代が、朝麻羅も立ちやいすいということですね。
 でも、早朝勃起したからといって、セックスも旺盛とは限らないようです。
B朝麻羅は小便までの命かな
 とても、夜まで持ちません。

22『ヨガる』 2000/09/17
 ご存じ、女性が快感のあまり悶え泣く状態を指した言葉で、ヨガり声、ヨガり泣き……などと使います。気持ちが良いから〈良がる〉という字を当てるのかと思ったら、さにあらず。正式には〈浪がる〉です。なるほど、気持ちが良ければ泉から愛液が溢れてくるわけだし、良にサンズイが付いて当然かも知れませんナ。ちなみに、中国では〈浪的〉と書きます。
 さて、世界各国で言葉や風俗の違いがありますが、ヨガり声に限っては、不思議と共通した所があります。日本人の場合はイクとかクル、シヌ……などといった言葉が多いのですが、英語でも、イクとかクルという意味で〈I'm coming〉とか〈Oh,I come!〉という言葉をよく使いますし、シヌとか、殺して、という意味では〈I'm dyi ng! 〉とか〈Kill me!〉などと叫んだりします。また
「カラダが溶けて、どこかにいっちゃいそう……」
 というような意味で〈I'm going off!〉といった言葉を使うこともあります。
 中国では、絶頂に達した瞬間〈我死了〉と叫んで果てるのですが、この言葉の意味は説明する必要もないでしょう。

23『猫』 2000/09/17
 町芸者を〈猫〉と呼ぶようになったのは、江戸時代もかなり前のようです。寛政年間には
B猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが、猫が下駄はいて絞りの浴衣で来るものか……
 という囃唄が大層流行ったという記録が残っています。芸者の商売道具である三味線が猫の皮を張ってあるから、こんな呼び名が生まれたという説がありますが、実は、猫とは〈寝子〉を訓読にした当て字。つまり男と寝る商売女のことなのです。 最初は“踊り女”を猫と称していたようですが、そのうちに“転び芸者”などにも使われるようになりました。岡場所の娼婦などは〈山猫〉と呼ばれていました。また、両国の回向院の近くには〈金猫〉や〈銀猫〉と称する私娼がいたという記録もあります。明治時代には、お手伝い兼用の二号さんを〈下猫〉と呼んでいたようです。
 現代でも、淫乱で男狂いをしている女性を指して“サカリのついた猫みたいだ”とか、ヤングの間では、セックスのことを“ニャンニャンする”などと言いますが、時代は変っても、猫とセックスは切っても切れない関係にあるようですな。
 ちなみに、女性のオナニーのことを〈猫撫で〉と言います。

24『あてこすり』 2000/09/17
 普通は、ほかの事にかこつけて遠回しに皮肉をいうのを〈あてこすり〉と言いますが、隠語ではオナニーやペッティングの意味になります。理由は、手を当てて擦るから。これこそ、あてこすりというものでしょう。 娘のアソコをこすっているうちに、愛液がトロリと流れてきた……。こんな状態を
「あてこすられて、娘が泣いちゃったよ」
 なんて使うわけですな。
 さて、これと似たような隠語で男女別のオナニーを指すものがあります。男性は、指を当ててカクから〈あてがき〉。女性のほうは指を当てて入れるから〈あていれ〉です。
 この調子でいくと、電車の中などで女性のアソコを触りまくって逃げる痴漢は〈当て逃げ〉といい、夜の公園にやってきたアベックの男が、女性にペッティングをせまって断られた場合は〈当てが外れた〉なんてことになるのかな。いや、これは、あてこすりでした。
 この他にも、オナニーやペッティングの隠語には、独楽、独悦、せんずり、二本指、手開、指人形、探春、探宮、索隠、擦淫、逆碁、鋏、くじり……などいろいろあります。

25『花嫁の風邪ひき』 2000/09/17
 女性が結婚してから〈花嫁〉と呼ばれる期間は、一説によると、子供を生むまでだそうですな。となると、初夜にタネを仕込んだとしても、十カ月と十日間は、花嫁でいられるわけ。しかし、子供の出来ない妻は、姥桜になっても花嫁。これではチト困ります。花嫁と呼ぶのは、せいぜい新婚一カ月ぐらいまでにしたいものですな。
 ところで、最近は処女で結婚するという女性は少なくなりましたが、バージンで結婚した花嫁が初夜を済ませて二、三日経つと、声がガラリと変ってしまうのです。音質が低くなり、まるで風邪をひいたようなハスキーボイスになります。
 このような状態を『花嫁の風邪ひき』というのです。
 毎晩、裸にされて攻められるのだから、本当に風邪をひくこともあるし、疲れて声がカスレることも考えられますが、実は男性の精液が体内に入ることによってホルモンのバランスに変化が起こり、それが声帯に作用をおよぼすからなのです。
 したがって、まだ幼いアイドル歌手の声質が急に変ったら
「彼女、ついにヤラれたな」
 なんて推測をする……。これは、意外なほど的中します。

26『豆男』 2000/09/17
 豆粒のような小男、という意味でははありません。マメとは健康で達者なこと。ここで言う豆男とは、色ごとに達者で、他人の奥さんを寝盗るような男性を指します。
〈豆〉は、クリトリスを表す隠語で、広くは女陰全体にも用いられます。例えば、少女のアソコは〈小豆〉という具合です。類語は、毛豆、空豆、生豆、ナタ豆、ハジケ豆など。性行為そのもの指す隠語には、豆まき、豆炒り、などがあります。
 享和二年に出た『一口饅重』という本の中に、こんな話があるのでご紹介しましょう。
「シロウトは白豆、クロウトは黒豆、乳母のは大きいからナタ豆、娘のはオシャラク豆、天人のは空豆さ……」
 このデンでいくと、ブスは阿多福豆、メンスのときは血豆なんてことになりますな。
 ところで『豆男』と同じような意味で『豆泥』などという言葉もあります。文字通り、他人の豆を泥棒する男のことです。 最近は、女性の貞操観念が薄くなって豆男や豆泥といった手合いが横行しております。妻や恋人に寛大なのも結構ですが、くれぐれも、豆男にあなどられぬ(穴盗られぬ)よう。ご用心のほど……。

27『一ノ谷』 2000/09/17
 源氏と平氏の合戦で、最も熾烈をきわめたのが“一ノ谷の戦い”です。場所は、現在の神戸市須磨区。寿永三年二月七日のことでした。源義経の率いる騎馬隊が、ひよどり越の断崖を駆け降りて敵陣営の背後をつき、平氏を壊滅状態に追いやった話はあまりにも有名です。
 この故事にちなんで、背後から攻めるバックスタイルの体位を『一ノ谷』といいます。
「今夜は、野生的に“一ノ谷”で攻めてみるかな」
 てな具合に使うわけです。
 一ノ谷の攻撃を、俗に〈ひよどり越の坂落とし〉なんて言いますが、古典四十八手では“ひよどり越”や“坂落とし”も、後背位の名称として使われております。他にも、後背位の俗称には、後ろ取り、尻突き、けつもどき、押し車、駒がけ、隔山取宝、窓の月、間男取り……など、いちいち並べたらキリがありません。
 最後の“間男取り”は、横になっている女性の背後から攻める側位の後背位です。亭主と添い寝中の女房を寝盗るには、女性の背後からソッと後並びになるのが一番というわけ。それにしても、昔の間男というのは、腕が良かったんですね。

28『池頭春草』 2000/09/17
〈池頭〉とは池の端、つまり土手のこと。そして〈春草〉は陰毛を意味します。したがって、若い女性の土手にヘアが生えた状態を『池頭春草』と言うわけです。最近の女のコは発育が良いから十四、五歳でうっすらと毛が生えてきますが、昔の女性の多くは十三歳で初潮を迎え、十六歳で池頭春草を生じたといわれています。
 ですから、年齢がそのまま隠語になって『十三』といえば初潮を指し『十六』は毛が生え揃ったことを意味します。
B十六で娘は文福茶釜なり
 文福茶釜に毛が生えた……なんて童唄がありましたが、娘も十六歳になると文福茶釜みたいになっちゃうと言うわけです。 ヘアが生え揃ってから二年ほど経つと、娘は色気盛りになり〈鬼も十八番茶も出花〉というわけで、ちようど食べごろになります。
 さて『池頭春草』というと、いかにも触り心地の良さそうな若い女性の柔らいヘアですが、これが年増の多毛となると名称もグッと変わります。藪、わらじ虫、毛沢山、熊の皮、はてはモモンガァなどと化け物呼ばわりされるのですから、なんたって、女性というのは若いうちが花なのであります、ハイ。

29『後ろの家』 2000/09/17
 これを縮めると後家、つまり未亡人のことです。直接、後家といわずに『後ろの家』と言葉を開いて言うあたりが、隠語の奥ゆかしいところ。後家さんは空家だから、字の真ん中まで広げちゃおうってわけですな。
 空家といえば、俗謡ににこんなのがあります。
B後家というのは後ろの家よ
 前の空家は誰に貸す
 また〈越後新潟八百八後家〉という言葉もあります。これは未亡人というより、私娼のことで『松屋軍記』によると
「……一人住まいをして、客を引く。そのさま後家所帯の家に似たればこれを後家と呼び、また数の多きをたとえて八百八後家と言うなり……」
 と記されています。
 最後に『八百八後家』という甚句調の面白い唄があるので、その一部をちょっと抜粋してご紹介しましょう。
 相撲後家、嫌でもとらねば食えない。巾着後家、男を家へ入れると戸を締める。狐後家、よく男をたぶらかす。ところてん後家、金のない男はさっさと外へ突き出す。みかん後家、よく人にカラダの皮をむかれる。牛後家、男を見ると涎を流す…。

30『金魚』 2000/09/17
 金魚は、色が赤くて、食べられませんね。だから、メンスのことを〈金魚〉といいます。もっとも、最近はメンス中の女性でも平気でいただいちゃう男性が多いようですな。
 江戸時代から使われている隠語ですが、現代でも立派に通用しそうな気がします。
「私、今日は金魚ちゃんなの。ゴメンね」
 なんて使うわけ。江戸時代の人と言葉を共有し合えるなんてレトロチックだと思うけどね。 さて、古来、メンスは不浄なものとされ、月経中のセックスはいみ嫌われていました。イギリスでは、メンスのときに性行為をすると、生まれてくる子供にモンゴリアン・ペック(蒙古斑)ができるとか、日本でも、月経が終わらないうちに接すると、子供の顔またはカラダに、赤色のシコリのようなものができる、などと言われています。 勿論、これらはまったく根拠のない迷信。メンス中の女性を食べたって、一向に差し支えないのです。金魚だって、その気になれば食べられないことはないのですから……。
 ところで、メンスの隠語は実に沢山あります。月花、月水、手なし、手桶番、他屋、別火、日の丸、赤団子……。いやャ、キリがありませんな。

31『貝合わせ』 2000/09/19
「貝合わせ」というのは、彩色したハマグリの地貝と出貝を合わせて、多く合っ人を勝ちとするゲームですが、隠語の世界では女性の同性愛を指します。
 女性のアソコは、その形状から貝に例えられることが多いのです。例えば、幼い女児のアソコは〈シジミ〉と言います。これが年頃になると〈ハマグリ〉になり、爛熟した年増女のアソコは〈赤貝〉といった具合。さらに年季が経って、多少カバガバするような女陰は〈ほら貝〉です。また“ウソつく”という意味で、商売女のアソコを〈ほら貝〉と言うこともあります。そして、多毛な老女の真っ黒ケのアソコは〈からす貝〉です。 ほかに〈似たり貝〉とか〈バカ貝〉などという名称もありますが、せいぜい食べてみたいと思うのは赤貝まで。似たり貝などは、据え膳で出されても食べる気にはなりません。こういうのを「ヤリガイをなくす」と言うんでしょうね。
 ともあれ、このような貝と貝を合わせてコトを行うから、レスビアン・ラブを隠語で〈貝合わせ〉と称するのです。
 ちなみに、レスビアンの語源は、古代ギリシャ時代の女詩人で同性愛者だったサッフォの故郷である〈レスポス島〉からきています。

32『くつわ虫』 2000/09/19
 季節外れで恐縮ですが、今回は虫のお話をしましょう。くつわ虫は、別名“ガチャガチャ”と呼ばれるキリギリス科の虫ですが、秘語では二号さんを指します。その理由には、二つの説があります。
 二号さんの場合、たまにパパが訪ねてくると、ご機嫌取りにおおわらわ。いきおい、抱かれたときのヨガリ声も激しくなってしまいます。つまり、セックスのときの声がうるさいからだという説。もう一つは、激しいヨガリ声をカモフラージュするため、枕を交わす前に、くつわ虫を軒下に吊ったからだ、という説です。いずれにせよ、二号さんのセックスというのは、騒々しいものと相場が決まっていたようです。
 本妻のほうは、どんな虫かというと、これが、忍ぶような声で鳴く『鈴虫』なんです。男性というのは、身近に音色の良い妻がいるのに、なぜ、やかましい声の二号さんのところに足繁く通いたがるんでしょうね。
 ほかに、いまで言うホステスは『尺取り虫(酌取り)』と呼びます。また、商売女は『挟み虫』です。ヨガリ声そのものを指す隠語には『キリギリス』などがあります。昔の吉原通いの舟も『キリギリス』と称していました。櫓の軋む音が、虫の鳴く音に似ていたからでしょうね

33『八寸胴返し』 2000/09/19
 ご立派過ぎて、最敬礼したくなるようなペニスを『八寸胴返し』と称します。“胴返し”というのは、胴の裏側が見えるほどに反り返っているモノの形容で、俗に『尺八反り』などとも言うようです。八寸は24a強。日本人のペニスの長さの平均は勃起時で12・7a(永田正夫博士の統計)ですから、その倍の長さになります。こんな巨根が天をつくようにグィッと上反っているのですから、これはもう脱帽モノてすな。
 もっとも、大きければ良いというものでもありません。『春色忍ケ岡』には
〈世に六寸胴返し、また八寸胴返しなどと好ましく云えども、これは難茎にて、かえって女きらう也〉とあります。過ぎたるは及ばざるが如し、というわけですね。では、どのくらいの寸法がヨロシイかというと、昔は四寸八分(14・54a)というのが通り相場だったようです。
 最後に、某コンドーム・メーカが全国の男性2千330人のペニスサイズを集めたデータがあるので、ご紹介しましょう。 それによると、勃起時の長さで一番多かったのが13a。そのつぎが14aで、最小が8aで、最大が23a。この中には20a以上の男性が6人いたそうです。

34『福の神』 2000/09/19
 幸せを呼ぶ福の神は、読みの音が似ていることから、秘語ではコトが終わったときにぬぐう紙を指します。つまり〈拭くの紙〉というわけです。
 さんざん幸せなことをしたあげく、最後にまた幸せな紙(神)で締めくくるのですから、セックスというのは実におめでたい儀式といえますね。
 現代では、ほとんどの人がテイッシュペーパーというカナ文字の紙を利用していますが、ちょっと前までは、縁起を担いだ『富貴紙』という名前のやわ紙や、淡いピンク色をした『さくら紙』などを使っていました。 この手の紙のことを、ほかにも閨紙、ふき紙、始末紙、拭ぐい紙、御事紙、和合紙……などと称しています。
 さて、セックスのときに使う紙というと『はさみ紙』があります。これは遊女などが交合を終えた後、中に溜った液体が流れ出てこないように、一時的に割れ目のところに挟んで置いたものです。また『詰め紙』というのもありました。やわ紙を丸めてホールの中に詰め込むもので、生理のときに使われたようです。タンポンの元祖みたいなものですね。
 この『詰め紙』は、遊女たちの避妊や気を漏らさないための手管にも用いられ『揚げ底』などとも呼ばれていました。

35『牛の角文字』 2000/09/19
 隠語で『牛の角』というと、コケシ状をした女性のオナニー用具である張形を指します。張形の多くが水牛の角で作られていたからです。しかし『牛の角文字』というと、ちょっと意味が違ってきます。これは、隠し文字といって、字の形が牛の角に似ていることから〈い〉の字のことです。延政門院の歌に
Bふたつ文字、牛の角文字、すぐな文字、ゆがみ文字……。 というのがあります。ふたつ文字が〈こ〉つぎが〈い〉すぐな文字が〈し〉で、ゆがみ文字が〈く〉……。これを続けると「恋しく……」
 となるわけ。だから
Bあれさもう、牛の角文字、ゆがみ文字
 と言えば「いく」という意味なんですね。
 隠し文字とは違いますが、字の形からくる言葉はいろいろあります。例えば『尻のの字』。これは、セックスをしているときの尻の動きで、他にも、腰を動かすには『ぬの字』や『ふの字』が効果的だそうです。
 よく使われる言葉に『川の字に寝る』なんてのがあります。子供を中にして親子3人が寝ている状態を指すのですが、これが『りの字』になると、夫のいない母子家庭というわけ……。

36『指人形』 2000/09/19
 女性のアソコを指でまさぐることを『指人形』と言います。そのココロは、相手を指先であやつるから……。この場合、中指と人差し指の二本を使うことが多いことから『二本指』なんて言うこともあります。
 忍者が術を使うときに、指を二本立てて九字を切りますが、このときに立てる指も、中指と人差しですね。これは、神道で祈祷のときに使う指形なのですが、女性のアソコを〈クジる〉という言葉は〈九字を切る〉が語源だという説もあります。
 さて、ここで〈クジり〉のテクニックをご紹介しましょう。 相手が処女の場合は例外ですが、大抵は指二本を使います。しかし、他の指を遊ばせておくのは勿体ない。そこで親指のヒラをクリトリスに当ててコリコリと刺激するわけ。
Bクジるとき親指核の舵をとり つまり、親指で舵をとりながら、中指と人差し指でギッチョギッチョと漕ぐのですが、これは非常に効果的です。
 また、指を使わず、直接ペニスの胴の部分でクリトリスや割れ目一帯を撫で擦る方法もあります。これは『材木渡し』と名付けられた江戸時代から伝わる高等テクニックで、勿論、効果は絶大。騙されたつもりで、今夜あたり、お目当てのソープ嬢を相手に試してみてはいかがですか

37『蛍掻き』 2000/09/19
 男性のオナニーのことを、昔は『ローソク屋』などと称していました。手作りのローソクというのは、細い竹の棒の表面に溶けたロウを塗り付け、それを平手で握ってシゴきながら作るのです。その手つきがオナニーのときにソックリ。しかも、シゴきながらローソクを太くしていくことから、こう呼ばれるようになったのです。
 キンゼイ・レポートによると男性の90l以上が、18歳までにオナニーを経験しているという数字が出ています。まぁ、ほとんどの男性がシコシコやった体験者というわけですな。
 若い頃は、ズラリと並んで液体の飛ばしっコをしたなんて話も、よく聞きます。アレは、勢いの良い男性だと、1b以上も飛ぶようですよ。
 さて、最近ではオナニーのことを『自家発電』なんて呼んでいますが、自分の指先で発電するわけですから、コントロールがききます。体験者だったら心当たりがあると思いますが、発射しそうになると手の動きを止めて、気持ちが落ち着くと、またシコシコやる……。このように、一気に発射せず、灯したり消したりするマスターベイションを、昔の人は『蛍掻き』と称したのです。なんとも、風流な呼び名ではありませんか。

38『ふりを付ける』 2000/09/19
 最近は、歌唱力よりも、身振り手振りのアクションを重要視する歌手が多くなりました。こうしたことを、芸能界では『ふりを付ける』と言い、ミュージカルなどでは、振付け師の才能が、その作品の良否を決定づけてしまうほどです。
 ところが、遊びの世界で『ふりを付ける』というと、女性がセックスのときに、わざと感じている振りをすること。
 主に、遊女たちの間で使われた言葉で、客を喜ばせたり、早く昇天させたりするための彼女たちのテクニックの一つだったわけですね。
 ところで、こうした技術を彼女たちに教えたのは、遊女あがりのヤリ手婆さんでした。つまり、昔の振付け師は、ヤリ手婆さんだったというわけ。
 他に『泣きを入れる』なんて言葉もあって、これは、わざとヨガリ泣いてみせることです。こうした言葉は、いまでも使えないことはありません。例えば「昨夜、彼氏とホテルに行ったんだけど、抱かれながら、ふりを付けちゃったの。私が泣きを入れたら、彼ったら、よほど興奮したらしくて、3回もいどんできたのよ」
 てな具合です。

39『指二本』 2000/09/19
 ここで言う二本の指とは、人差し指と中指のことです。この指は、女のコの股間を愛撫するときに重要な働きをします。
〈門口で、医者と親子が、待っている〉という川柳がありますが、人差し指と中指が割れ目の中を探索してる間、薬指とか親指や小指は、穴の入口で待っているわけですネ。つまり『二本指』とは、割れ目をクチュクチュするという意味の隠語というわけ。
〈指二本、姫が岩戸の、タジカラオ〉……。守りの固いお嬢さんの岩戸も、二本を上手に使えば、難なく開いちゃうのです。 では『第十一指』とは、何を指す隠語かご存知ですか。指は両手足で十本。十一本目の指と言えばアレっきゃない。つまり男性自身のことであります。

40『頬かむり』 2000/09/19
 包茎のこと。ペニスの頭からスッポリと皮をかぶっている形状が似ていることから『頬かむり』と称するのです。
 包茎の俗称は、かなり沢山ありますが、主なものは『きぬかつぎ』『すぼけ』『皮かむり』『スッポン』『半皮』『越前』などでしょう。
 包茎のことを『越前』と称する由来は、越前福井公の槍の鞘に熊の毛皮が用いられていて、その槍を“皮かぶり槍”と呼んでいたことから転じたものだといわれています。
 越中はフンドシ。そして越前は包茎。となると、越後の隠語も何か欲しいものです。越後と言えば、チリメン問屋のご隠居さんがいましたな。そう、水戸黄門(肛門)さまです。これだと、前が越前、後ろが越後でピッタリつじつまが合います。
 さて『頬かぶり』に似た言葉で『コモかぶり』と言う隠語がありますが、こちらのほうは萎えて縦縞が寄ってしまったペニスのこと。類語には『干大根』『提灯』『唐傘珍宝』『ムシロかぶり』『ゴザかぶり』などがあります。
 そして、このようなペニスがマレに勃起すると、その頑張りぶりに驚異と賞賛の気持ちを込めて『ゴザ破り』『コモ破り』などと呼んであげるのです。

41『板舐め』
 2000/09/21
「あいつ、カラダは小柄なのにセガレは“板舐め”なんだ」
 などと使います。『板舐め』というのは、長いペニスを指す隠語で、風呂屋の小桶に腰を降ろすと、股間から垂れ下がったペニスの先端が、流し板を舐め回すほど長い……という意味。
 別名『板ねぶり』とも言いますが、最近の流し場はタイルですから、現代風に直すと『タイル舐め』というわけですネ。
 垂れてる状態で、これだけ長いのだから、こんなのが勃起したら大変です。
〈長いマラ、茶臼のときは、弥次郎兵衛〉
“茶臼”は女上位のこと。あんまりペニスが長過ぎて女性のカラダが浮き上り、ヤジロベエのようにユラユラ。過ぎたるは及ばざるが如し。他人の長根を見てもヒガむことはないのです。

42『四文字語』 2000/09/21
 フランス語で『コン』(CON)と言えば、女性のアソコのことです。ところが、日本では『根』と言うと男性のペニスを指すんですネ。
 所変われば品変わる。フランスと日本では、まるで正反対の意味になっちゃいます。巨根、裸根、干大根……などは、みんな男性器の隠語なんですネ。ただし、小根(サネ)だけは、女性の陰核のことです。
 ところで、日本と外国とでピッタリと共通することもあるんですヨ。欧米では『フォア・レター・ワード』と言うと、卑猥な言葉を指します。つまり、四文字で綴られた言葉のことで、FUCKとかCOCK、CUNT、COME……などですが、日本ではどうでしょう。
 オマ○○、オチ○○……。ほら、みんな四文字語ですヨ。

43『呂の字』 2000/09/21
 お風呂の呂ですが、隠語の世界で『呂の字』というと、接吻を指します。呂の字は、口と口を寄せ合った形をしてるから、キッスなんですネ。口と口との間にある斜めの棒は、さしずめ<舌>に当たりましょうか。
 また、花柳界などでは、接吻を『おさしみ』と呼びます。ウエットなキッスになると舌と舌を吸い合いますが、ホラ、舌というのはマグロの刺し身に似てるでしょう。で、本物のお刺し身りほうは、キッスと混乱しないように『お造り』とか『相惚れ』と呼ぶわけです。
 他に、接吻の隠語には、口ねぶり、口吸う、口々、口寄せ、舌吸う、口中の契り、きまり、手附け、口印、北山……などがあります。

44『破れ傘』 2000/09/21
 隠語で『傘』といえば“さすもの”だから、ペニスのことを言うわけですネ。
 ところで『破れ傘』だと、どうなりますか。さしているうちに、雨水が、柄を伝って滴り落ちてくるでしょう。もう、お察しのいい諸兄は判ったと思うけど、つまり『破れ傘』とは女性上位の体位のことなんですネ。 女性が上になってセックスをしていると、愛液が男性の竿を伝って流れ落ちてくる。これは萬有引力の法則です。
 ところで、昔、テレビの時代劇の主人公に“破れ傘刀舟”という浪人がいたけど、隠語の世界では『刀』はペニスで『舟』はヴァギナを指します。考えてみると随分エッチな名前ですネ。
 ちなみに、女性上位の秘語には、笠伏せ、倒蓮華、逆取り、逆か床……などがあります。

45『糠並』 2000/09/21
 太平洋にゴボウみたいな、大きな女陰のことを『糠並』と言います。“糠に釘”という言葉があるけど“糠にペニス”だって手ごたえが無いことには変わりありません。大きくて、締まりが悪い。等級でいうと、最下級の女陰を指します。
 さて『広小路』というのも女性の広陰の意味なのですが、一概に広小路といっても、上野広小路から浅草や両国の広小路まで数々あります。ですから、隠語では、特に『下谷広小路』と言うんですネ。下谷とは、下の谷だから股間を意味します。そこが広小路のように、だたっ広いというわけ。
 この他に広陰の秘語には、広玉、洞穴、女帝……などがあります。女帝とは、巨根の持ち主といわれた弓削道鏡の相手をした神功皇后のことです。

46『無駄穴』 2000/09/21
 女性のシンボルを“穴”と称するのは、みなさんも先刻ご承知ですネ。ところで、穴にもいろいろあります。危険な女性のアソコは『落し穴』で、惚れた女のアソコは『情けの穴』。具合の良い割れ目は『男泣かせの穴』ってわけです。それに、子供も産み出すわけだから『生命の穴』とも言います。陰毛が濃いのは『穴熊』で、小野小町のような鎖陰は『穴無し』……。 では『無駄穴』とは、どんな穴なのでしょう。これは、適齢期になっても独身でいる“いかず後家”のことなんですネ。極楽に通じる穴があるのに使わないなんて、なんとも勿体ないことですネ。そんな女を口説いてみたい、なんて言う女蕩しの男性を『穴師』と言います。

47『プゥ』 2000/09/21
 これ、オナラのことじゃないんですョ。ソープランドではコンドームのことを『プゥ』と言うんです。プウッと膨らませる風船のようだから、こんな隠語で呼ばれるようになったわけ。 ところで、コンドームが初めて日本に入ってきたのは徳川時代も後期の文正年間です。『閨中女悦笑道具』によると〈淫汁を玉門に洩らさぬための道具〉と説明しています。
 国産コンドームは明治42年に製造販売された『ハート美人』が第一号。コンドームの呼び名も時代と共に変化して、古いところでは、マラ袋、猥褻袋、保護帽。戦時中は、鉄カブト、突撃一番などといった武骨な名前がつけられました。最近ではスキン、風船、ゴム、フクロ、ヘルメットなどと呼ばれています

48『女握り』 2000/09/21
 手で握り拳を作るとき、中指と人差し指の間から親指を出すのを『女握り』と言います。まさか、この拳の意味を知らないなんて人はいないでしょうネ。 形が似ていることから女性の性器を指し、また、セックスそのものを表すわけ。だから『女握り』を彼女に示しながら
「今夜、コレしようョ」
 と言えば、相手のカラダを求めていることになります。
 でも、このニギニギのサインが通じるのは日本だけ。最近は海外旅行が盛んだけど、外国で『女握り』をするのは禁物。殊にイタリヤでは“悪魔払い”のオマジナイに、この握り方を用います。言葉が通じないからといって、安易に『女握り』を示すと、これは、相手を悪魔とみなしたことになるわけで、誘惑するどころか、横ッ面を殴られる羽目になりかねません。

49『土手シャン』 2000/09/21
 顔はブスでも、セックスの味が非常に良い女性のことを『土手シャン』と言います。もともと『土手』は女性の陰阜を俗語なんですネ。陰阜とは、割れ目の上のモッコリと盛り上がった部分なのですが、ラテン語ではモンス・ヴェネリス(ヴィナスの丘)と呼びます。西洋諸国では、ほとんど『ヴィナスの丘』で通用するようです。例えば、英語だと〈mount ofVenus〉仏語だと〈mont de Venus〉といった具合になります。
<土手の草、ぬれたで馬は、すべり込み>
 土手が濡れると、馬でも滑り込んじゃうというのだから、アナ恐ろしきは、女性の穴です。 陰阜の俗語は、他に、小腹、ほがみ、恥丘、額ぎわ、池塘、紅臼山(べにうすざん)などがあります。

50『タレ』 2000/09/21
 それぞれ職種によって、独特の隠語があります。現在ではあまり用いられていませんが、旅館では、ひと昔前まで女性の1人客を『蟇ピン』と呼んでいました。蟇(ガマ)はパクパクした蟇の口から女陰をあらわしたもので、ピンは〈1〉のこと。 いっぽう、男性のほうは『ドビン』と言います。ドビンの口をよく見ると、何となくペニスに似ていますネ。それで、このような隠語が生まれたんです。 また、太鼓持ちの世界では、女性のことを『タレ』と称しています。詳しい語意は判りませんが、女性のアソコには、おいしそうなオツユがタップリ。タレという隠語がピッタリです。 そんなわけで、芸者のことはシャダレ、年増女はマダレ、お婆ァちゃんはバァダレと言います。このデンでいくと、女僧はアマダレ、幼稚園の女児はヨダレ…ということになりますネ。

51『泣き上戸』 2000/09/25
 お酒が嫌いな人は〈下戸〉好きな人は〈上戸〉と言うのは、ご存じの通り。酒に酔って、怒りっぽくなる人を〈怒り上戸〉よく笑う人は〈笑い上戸〉泣き出す人は〈泣き上戸〉ですネ。 ところで、ここで言う『泣き上戸』とは、お酒じゃなく、セックスの快感に酔い痴れて、すぐに泣き出す女性のことを言います。つまり、ヨガリ泣きをする癖のある女性のことを『泣き上戸』と呼ぶんですネ。
 同じ意味の隠語に『泣き女』とか『床騒がし』があります。
<籠の鳥 夜泣きをするで なお流行り>
 鳥の夜泣きは、五月蠅くて困りますが、相手が女性ならば話は別。だから、ヨガリ声の激しい商売女は、結構、客の人気があったのだそうです。そんなわけで、わざとヨガリ声を出すことを『鳴きを入れる』と言って、商売女の技術の一つになっていました。勿論、現在のソープ嬢の中にも、巧みに〈鳴き〉を入れてるコは多いようです。

52『摘み草』 2000/09/25
 夏場、プールサイドや海水浴場で見掛ける女のコの水着姿は、とってもセクシーですネ。最近は股間が切れ上がったハイレグの水着が多いので、刺激が強過ぎるくらい。〈よく陰毛が飛び出さないものだ〉なんて感心してしまいますが、あれは、はみ出さないようにデルタの周囲を除毛してあるんですネ。 最近の人たちは、このような除毛を『カットする』とか、ときには『剃りを入れる』などと言っていますが、昔の人たちは『摘み草』と称していました。実に、風雅な呼び名ですネ。
 さて、昔の女性の除毛の方法は、毛切り石という2個の石を擦り合わせたり、ハサミでカットしたり、ローソクや線香で焼き切っていました。現在の女性は、専用のカミソリでカットしたり、毛抜きで1本1本抜いたりしてるようです。ハイレグの水着を着た女性が、手鏡を股間に当てて、毛抜きで陰毛を引き抜いている様を想像すると、なんとも妙な気分になりますネ。

53『コーヒー』 2000/09/25
 女性器の隠語は、数え切れないほどあります。玉門、陰門、ボボ、ベベ、ベッチョ……。キリがないので、ここでは変わった呼び名をご紹介しましょう。 沖縄では、女陰のことを『シリ』と言います。だから、若いギャルなんかが沖縄に遊びに行って、お年寄りの前で
「ちょっとお尻がムズ痒いわ」 なんて、の給おうものなら、笑われてしまいますヨ。
 アイヌ語では『ポッキ』と呼びます。勃起をしていなくて、ポッキとは、これ如何に。
 また、ハワイでは女性のアソコを『コーヒー』と言います。だから、みだりに他人の前で
「コーヒーが欲しい」
 なんて、口にしないこと。
 中国では『華門』ですから
「カモン、カモン……」
 などと、下手な英語は使わないほうがいいでしょう。

54『三根』 2000/09/25
 間違っても“サンコン”なんて読まないでくださいネ。これはヘンな外人の名前じゃないんですから。実は、クリトリスの俗語で『サネ』と言います。この『サネ』という言葉には、いろんな字が当てられています。例えば、実、核、小根、三年、佐禰など、みんな『サネ』と読むんですネ。
 さて、昔の人は『三根』について次のように述べています。
〈玉門の上ッ面にそびえたるもので、三ッの根とは、一に玉門の根、二に喜悦の根、三に子を生ずる根……という義なり〉
 なかなか的を得た解釈だと思いますが、いかがですか。
 他にも、小さな舌のような形をしているので、吉舌、紅舌、玉舌、赤舌、などと呼んだり、豆、トサカといった俗語で呼ばれることもあります。

55『厄介棒』 2000/09/25
「人間、辛抱だ」
 なんて言うけど、男性の股間にある芯棒は、なかなか辛抱しにくい棒ですネ。川柳に
<聞き分けの、ないもの勃えた、ヘノコなり>
 とある通り、ムラムラと欲情が昂まって、股間の棒が勃起しちゃうと、どうにも納まりがつかなくなってしまいす。そんなわけで、この棒のことを隠語で『厄介棒』と称するんですネ。
<厄介を、股倉に持つ、独り者>
 セックス・フレンドがいない独り者にとっては、厄介この上もない棒と言えます。
 この棒も、納める場所がある夫婦者の場合は『こね棒』になり、テクニックの下手な男性のは『木偶の坊(棒)』で、上手な男性の棒は『秘伝棒』……。 同じペニスの隠語にも、状況に応じて、いろんな呼び方があるんですネ。

56『梅雨穴』 2000/09/25
 6月から7月の上旬にかけて、期間限定で降る長雨を梅雨といいます。ところが、一年中梅雨みたいな女性もいるんですネ。アソコがジメジメと濡れいて、乾く間がない。このような女性器を『梅雨穴』と言います。砂漠みたいに乾燥したホールも困りますが、濡れっぱなしの穴というのも、始末が悪いもんですネ。
 セックスのときにグッショリ濡れるのなら、誠に結構。そんな女陰のことをは『汁沢山』とか『洗濯開』などと言います。
 しかし『梅雨穴』のほうは、確かに愛液も豊富なのでしょうが、年中濡れっぱなしだから、むしろ、好色で淫乱気味な女性の代名詞として使われることが多いようですネ。
 類語には『濡れ開』とか『醤油樽』『沖の石』『濡れ仏』などがあります。

57『破船』 2000/09/25
 女性のアソコは、よく『舟』に例えられます。舟に乗る男性のほうは、生まれながらにして竿を一本持っています。この竿で、ギッコギッコと舟を操るというわけですネ。
 女性が初めて男性にカラダを許すことを『舟おろし』と称したり『進水式』と言ったりするのも、女性のアソコを舟に見立てているからです。
 さて『破船』とは、難破船のことなのですが、隠語では、どんな意味になるんでしょうネ。「軟派した女性のアソコ……」 だって? ブーッ、残念でした。実は『破船』とは、壊れて使いものにならない女陰。つまり、傷を負ったり、性病にかかっている女性器のこと。そして入院すれば『ドック入り』になりますし、この手の患者を扱う医者を『船大工』と言います。

58『蚊と蛇』 2000/09/25
<生娘の、目にウワバミと、見えるなり>
『ウワバミ』とは大蛇のこと。男性のペニスは、鎌首をもたげた蛇にソックリですネ。そんなわけで『蛇』は、ペニスを指す隠語として用いられますが、まだ処女の女性にとって、初めて見る男性のペニスは、蛇というより『大蛇』のように見えるという意味の川柳です。
『蛇』と同類の隠語には『青大将』とか『おろち』『耳の無い鰻』などがあります。
 ところが『蚊と蛇』と言った場合の『蛇』は、男性器ではなく、女性器を指します。その理由は、蚊は刺すもの、蛇は呑むものだから。刺すほう男性器、呑むほうは女性器。つまり『蚊と蛇』とは“男性器と女性器”という意味の隠語なのです。
 同じ『蛇』でも、使い方で男にも、女にもなるんですネ。

59『羅切』 2000/09/25
 昔の中国では、奥御殿に仕える男性の役人を去勢するという風習がありました。これは、奥御殿の女性たちと性的な間違を犯させないためです。このような役人を『宦官』と言います。
 去勢の方法は、睾丸を潰すか摘出するということが多かったのですが、ペニスをちょん切るなんてこともあったようです。 さて『羅切』というのは、ペニスを切断すること。羅は“麻羅”の略称です。
<羅切して、また下になる、長局>
 これは、奥女中のレズシーンで、張形(ペニスの形をした性具)を付けて男役になっていた長局が、今度は張形を外して、下になったという意味。
 ところで、わが国の昔の刑罰の中には『羅切』とか『宮刑』というのがあったと、古書に記されています。『宮刑』とは、なんと、女性の割れ目を縫い合わしちゃうという刑なんですヨ。

60『コキュにされる』 2000/09/25
 フランス語で、カッコウ鳥のことを『コキュ』と言います。この鳥の雌は、他の鳥の巣の中に卵を産み落としちゃうという、実にケシカラン鳥なんです。そんなわけで、女房が他人のベッドの中で簡単に股を開くような行為をスルト、その夫は
「女房に、コキュにされた」
 と言うんですネ。日本でも、そのようなことをされた亭主は
「コケにされた」
 と言って嘆きますが、こちらは仏教用語の『虚仮』から転じたもので“愚か者扱いにする”という意味です。
 さて、女房の浮気を黙認するようなお人良しの亭主を『ウィッタル』と言いますが、これはキツツキの一種で、カッコウが産み落とした卵を後生大事に温めてフ化させるという、実に間抜けな鳥なんですネ。

61『蟇口』(ガマグチ) 2000/09/28
『蟇』は、女性の陰部を指す俗語です。これと関連した隠語として、男性器を表す『蛇』があります。蛇に睨まれた蛙は、身がスクんで蛇の成すがまま。
 しかし『蟇口』となると、ただスクんでばかりはいないんですネ。男の“金”を入れたり出したり。おまけに、この蟇口で本物のお金を稼ぐチャッカリ屋の女のコだって、近ごろは少なくはありません。
 ところで、昔は、お金を入れるのに『巾着』を用いました。これは、入口をヒモで絞ようにして閉じることから、入口が締まる女陰を『巾着ボボ』と称したことは、諸兄もよくご存知のことと思います。
 逆に、入口がガバガバに広い女陰のを、陰語では、蟇口よりも大きいということで『鰐口』と呼んでいるんですネ。

62『青女房』 2000/09/28
 広辞苑で『青女房』の項目を引くと〈年若く物馴れない、官位の低い女官……〉と出ています。しかし、色事の世界の隠語で『青女房』と言えば、セックスのやり過ぎで、顔が青くむくんじゃってる女性のこと。
<板ねぶと、思しき人の、青女房>
『板ねぶ』は『板舐め』と同じ意味で、銭湯の小桶に腰掛けると、ペニスの先端が流し板をネブるほどの巨根の持ち主。つまり、男のアレが立派だと快感も強烈。あまり気持ちがイイものだから、ついつい女は度を過ごしちゃう。だから、板ねぶ男を旦那に持つ女には、青女房が多いというわけなんです。
 反対に、女のアソコの具合が良過ぎて、男のほうが精をすっかり吸い取られてしまった状態を『空ら堀』と言います。
<殿様を<空ら堀にする<美しさ>
 良過ぎる女はカラダに毒だと悟れば、他人の女を羨望することもなくなりますよネ。

63『琴三味線』 2000/09/28
<十六で娘は文福茶釜なり>
 昔の女性は、13歳で初潮を迎え、16歳で陰毛が生えたといわれています。だから、16歳になると、カラダの準備も整ったということで、晴れてお嫁入りをしたわけですネ。
 さて『琴三味線』とは、16歳の娘を指す隠語。琴が13弦で三味線が3弦。合わせて16というわけ。『琴』だけだと、初潮を迎えた13歳の 娘を指します。「隣の娘は、琴三味線だナ」
 と言えば“隣の娘は16歳で毛も生え揃ったし、ほぢぼち嫁入の年頃だナ”という意味。
 ところで“鬼も十八番茶も出花”たどと言いますが 18〜19歳の娘は、早く嫁にやらないと売れ残っちゃう。そこで、この時期の女のコが結う島田髷のことを、俗に『催促髷』と称していました。つまり、この髪型は
「早く、私を貰って頂戴ッ」
 という合図なんですネ。

64『金叩き』 2000/09/28
 金は、股間の袋に納まった玉のことです。だからと言って
「金を叩いて、強化するんだ」
 なんて、早合点しないで下さいネ。ペニスを叩く強化法は確かにありますが、玉のほうを叩いたのでは、痛くて飛び上がってしまいます。
 この『金叩き』というのは、女性の割れ目の下から肛門までの、俗に『蟻の戸渡り』と呼ばれる部分を指す隠語なんです。
 正常位でピストン運動を始めると、ちょうど『蟻の戸渡り』のあたりを、袋の中の玉がペッタン、ペッタンと叩きます。それで、この部分を『金叩き』と称するんですネ。
 ちなみに、ここは隠れた性感帯で、江戸時代の艶本『春情花朧夜』にも、この部分を百撫でするテクニックが紹介されています。よく憶えて、今度、活用してみて下さい。

65『地震・雷・火事・ムスコ』 2000/06/28
 群発地震が活発化しているようだけど、あるマンションの住人が、隣の奥さんに
「昨夜はすごい地震でしたネ」
 と言うと、その奥さんは顔を真っ赤に染めながら
「あら、嫌だァ。お口が悪い」
 つまり『地震』というのは、激しいセックスに対する隠語なんですネ。昔から、怖いものを〈地震・雷・火事・オヤジ〉と言いますが、地震のつぎは雷。隠語には『雷ボボ』というのがあります。これは、愛液が豊富で、ピストン運動の際にゴボゴボと大きな音を発する女性器。
 火事は、強い恋慕や情事そのものが“火”に例えられますから『ハートが火事だ』とか、情事の現場を『火事場』などと言います。最後のオヤジは、残念ながら俗語の中には見当たりません。その代わり『ムスコ』という有名な隠語がありますよネ

66『鉢』 2000/09/28
 底の深い容器を『鉢』と言いますが、鉢にも『摺鉢』や『植木鉢』『金魚鉢』など、いろいろありますネ。これは、形状が似ていることから、女陰を指す隠語として用いられているのですが『摺鉢』などは、ペニスのようなスリコギでコネまわすわけだからピッタリの形容です。
 ところで『植木鉢』には『新(あら)鉢』と『古鉢』があります。当然『新鉢』は、まだセックス経験が浅いヤングな女のコのアソコを意味し『古鉢』は年増女のガバガハした女陰に対して用います。都々逸に
<植木鉢 買うて来ました何植えましょか 新鉢ゃツバキが よいわいな>
 という文句がありますが、これは花の“椿”と唾液の“ツバキ”をかけたもの。まだ使いこなしていない『新鉢』は、きつくて挿入しにくしから、ツバキをつけたほうがいい……という意味なんですネ。

67『赤玉を突く』 2000/09/28
 シドニー5輪では、女子ソフトボールが大活躍の銀メダル。ソフトボールのタマは、野球のタマより少し大きいんですね。ところで、隠語で『タマ』と言えば、女性を意味します。例えば「いいタマだ」は、美人のことで「タマを転がす」は、女性を誘惑してセックスをするという意味になります。ただし、間違っても『タマタマ』などと、2回続けないこと。男性の睾丸の意味になっちゃいますからネ。
 さて、単に『玉を突く』と言えば、女性とセックスをすることですが『赤玉を突く』と言うと、ちょっと意味が違ってきます。赤玉とは、メンスのことなんですネ。だから、月経中の女のコと交わることを『赤玉を突く』と言います。
 他に、月経の隠語には、日の丸、金魚、紅屋、お客、月水、月夜、月見、月華……などがあります。

68『観音様』 2000/09/28
 女性のアソコは、男性に何よりの功徳を与えてくれる有り難い場所。そんなわけで、神仏に例えられることが多いのです。 よく使われるのが『観音様』で、大股開きになった女性のアソコを覗き込みながら
「観音様のご開帳……」
 なんて言ったりします。しかし、観音様を覗いたとたん、有り難くってセガレともども頭を下げたんじゃ、せっかくの功徳にもありつけません。
 他にも『弁天様』とか『瑠璃光如来』『弥陀如来』などと呼ばれています。
 さて、神仏が女性器に例えられるなら、その神仏から放射状に出ている『後光』は、隠語でどのような意味に用いられるかご存知ですか。察しの良い諸君はすぐお分かりでしょう。そうです。陰毛のことを『後光』と言うんですネ。

69『火消し壺』 2000/09/28
 木炭の残り火を入れる素焼きの壺を『火消し壺』と言って、一昔前まではどこの家庭にもあったものです。
 この『火消し壺』は、隠語で女性のアソコを指します。前にこの欄で『厄介棒』という隠語をご紹介しましたネ。これは男性器のことで、別名『因果骨』とも言います。ペニスが骨か肉かという議論は後にゆずるとして、この棒は実に因果な棒で、ムラムラと欲望の火がつくと、なかなか消えません。
 この厄介な火をたちどころに消してくれるのが、女性のアソコなんですネ。納まるところに納めて、溜ったものを放出してしまえば、後はスッキリ。メラメラと燃え盛っていた欲情も、一気に鎮火してしまいます。そんなわけで、女性の穴ボコはまさに『火消し壺』……。

70『厠』は元祖・水洗便所 2000/09/28
 誰とでも寝る女性を『公衆便所』などと言いますが、今回は趣を変えて、本当の『便所』のお話をしましょう。
<雪隠や 黄金の山に ふくの神>
 クサーイ便所も、言いようで風雅に聞こえますネ。近ごろは『トイレ』とか『WC』と呼ぶことが多いけど『WC』は“ウォーター・クロセットの略で、水槽便所のこと。だから、組取り式や焼却式の便所は『WC』とは言わないんですヨ。
 別名『厠』とも言いますが、これは『河屋』の転化。大昔の人は、川の上に便所を作って、天然の水洗便所にしていたんですネ。つまり『WC』の元祖は『厠』というわけ。その他、厠房、憚り、手水場、不浄場、便房、浄房、要所、用所、隠所、閑所、便室、糞舎、糞屋、後架などと言う呼び名があります。

71『チャンコ』 2000/10/01
 あなたは『チャンコ』がお好きですか? でも、相撲取りが作る鍋料理などと早合点しないでくださいネ。ここで言う『チャンコ』は、女性のアソコやセックスを指す陰語なんです。
 もともとは、鹿児島か長崎あたりの方言のようですが、仙台に伝わるザレ歌に、
<多賀谷才二郎さん、なんで身上無くした、朝寝朝酒朝チャンコ大好きで……>
 というのがあるので、かなり広く通用していた陰語だと思います。勿論、東京でも使われていて、酒席などでは
<板になりたやお湯屋の板に、チャンコ舐めたり眺めたり>
 などという文句が、ユンタ節に合わせて歌われたりします。 この陰語、チャンコ鍋なんかを食べる折りにでも思い出して下さいね。きっと、チャンコがおいしく召し上がれますヨ。

72『ゴボウの切り口』 2000/10/01
〈太平洋にゴボウ〉と言えば、大きな女陰と小さなペニスの組み合わせのこと。では『ゴホウの切り口』とは、一体何のことでしょう。コボウの切り口をよく見ると、カラダの一部分に似ていますネ。そうです、肛門のことを、陰語で『ゴボウの切り口』と言うんです。
 一般的には『菊座』とか『菊の花』などという俗語が広く用いられているようですネ。これは、肛門のヒダが48本あり、菊の花も多くは48ヒラあるということから、この陰語が生まれたと、古い書物に出ています。それにしても、肛門が48ヒダあるなんて、誰が数えたんでしょうネ シックスナインの俗語を『菊頂き』と言いますが、これは、女性のアソコを舐めるとき、ちょうど彼女の菊座が額のところにペタンと付くからです。ちなみに、男性同士の交わりは『菊花の契り』と言います。

73『成り余れる所』 2000/10/01
 これは『古事記』に出てくる言葉で、ズバリ、男性器のことです。イザナギの命が、オノレのペニスを『成り成りて成り余れる所』と言い、イザナミの命は、自分の割れ目チャンを『成り成りて成り合わぬ所』とのたまいました。そんなわけで、これは性器を指す日本最古の言葉。つまり『成り余れる所』が男根で『成り合わぬ所』が女陰というわけなんですネ。
『古事記』によれば、イザナギの命が、イザナミの命に〈吾が成り余れる所を汝が身の成り合わぬ所に刺し塞ぎ……〉と言いながらセックスをしたとか。
 たまには、神話時代にタイムスリップした気分で
「キミの成り合わぬ所に、ボクの成り余れる所を合体させたいなぁ」
 なんて口説いてみるのもイイかもネ。

74『勾開と香開』 2000/10/01
 どちらも『コウカイ』と読みます。<開>は、女陰のことですから『勾開』も『香開』も匂いの強い女性器を指します。
 ところで、女性のアソコの匂いにも、欲情をそそるような甘い香りから、ツンと突き刺すような悪臭まで色々あります。
『勾開』や『香開』は、欲情をそそるような女陰に用いられることが多く、悪臭を放つような女性器は『臭開』とか『くさつび』などと呼ばれています。
 昔から<頬の赤い女性はアソコが臭い>と言われ、江戸時代の艶本『全盛七婦久神』にも
〈ほほ赤きものは、必ずボボくさし。色も古漬の茄子の如く、手入れ悪きヌカミソの匂いするなり……〉
 などと書かれています。結婚した女性がこんな性器の持ち主だったら、それこそ“コウカイ先に立たず”ですネ。

75『西瓜の棚落ち』 2000/10/01
 西瓜のおいしい季節も終わりましたが、あの西瓜、熟れすぎると中がスカスカになって、味はボサボサ。どうにも食べられません。この『西瓜の棚落ち』という隠語は、熟れ過ぎて、もう食べ頃をとっくに過ぎてしまった女陰をことなのです。例えば
「あそこの後家さんも、すでに西瓜の棚落ちだネ」
 などと、使うわけですネ。
 他にも『唐傘ジジィと提灯ババァ』なんて言葉があります。これは、唐傘をすぼめたように萎えたお年寄りペニスと、提灯を畳んだようにシワだらけなバギナのこと。どちらも『西瓜の棚落ち』と同様、とうに食べ頃を過ぎています。
 でも、いずれは我が身。あまり、お年寄りの悪口は言わないほうがいいかも知れませんネ。

76『逆さ富士』 2000/10/01
 女性の股間の草ムラを、その形から表現したもので、類語には『三角洲』『デルタ』『陰三角』などがあります。
 また『蝙蝠』というのも、陰毛の形からきた俗語で、一般には『白壁に蝙蝠』という使い方をします。白い肌に黒々とした陰毛がペッタリ貼り付いていると、いかにも白壁に蝙蝠がとまっているようですネ。
 毛並みが乱れて、非常に濃い陰毛のことを『手負いガラス』と称します。よく、艶の良い髪の毛を『カラスの濡れ羽色』なんて言います。でも『手負いガラス』のほうは、うっかりすると毛切れをしかねない、凄まじい陰毛なんですネ。
 最後に『逆さ富士』を詠んだ蜀山人の有名な狂句を……。
<裾野より、まくり見たるお富士山、甲斐で見るより駿河一番>
 匂いを嗅いでるよりも、するほうが良いという意味。

77『エテに帆をあげる』 2000/10/01
 勃起したペニスがパンツの中で突っ張ってる状態を『エテに帆をあげる』と称します。よく『テントを張る』などと言いますが、それと同じ意味です。
 花柳界には、忌み言葉というのがあって『サル』という言葉は<客が去る>という意味で、非常に嫌うんです。そんなわけで《去る=猿エテ公……》 と言葉を発展させて、『サル』という発音は、すべて『エテ』と呼ぶようにしちゃったわけ。だから、花柳界では『サルマタ』を『エテマタ』と言うんですネ。 勢いよく勃起したペニスが、この『エテマタ』を突き上げた様は、あたかも、マストに帆を張った舟のように見えます。それで、このような状態を『エテに帆をあげる』と言うわけ。
<船頭の、昼寝はエテに、帆をあげる>
 夏バテの時期ですが、アナタの帆柱はお元気でしょうか。

78『豆泥棒』 2000/10/01
 女性の陰核、つまりクリトリスのことを、俗に『豆』と言いますが、ここから転じて、女性器そのものにも『豆』という言葉が使われるんですネ。
 こんな笑い話があります。
「うちの女房はどんな豆だい」
「シロウトだから白豆さ」
「じゃあ、芸者や女郎は」
「クロウトだから黒豆だな。それに、乳母のは大きいからナタ豆で、若い娘はオシャラク豆」
「それじゃ、天人は……」
「うん、空を舞うから空豆さ」
 他にも、豆の付く女陰名には小豆、毛豆、はじけ豆、生ま豆などがあります。
 さて『豆泥棒』ですが、これは他人の豆を盗む不届きな男。つまり、密夫、間男、夜這い男などを指す隠語なんですネ。
<豆泥が こじって開ける 戸立開>
 夏から秋口にかけては、女性のアソコも、戸締りが悪くなり勝ち。彼女を盗まれないように気を付けましょう。

79『港に行くためネルバイト』 2000/10/01
 今回は、ちょっとツッパリ気味の若い女のコたちが使っている隠語をご紹介しましょう。
「新しいSFとツイマンしたら、一発でDになっちゃった。だから、港に行く費用を稼ぐために、ネルバイトしてるの」
 これじゃ、何のことやらサッパリ判りませんから、簡単に解説をしましょうネ。
『SF』はセックス・フレンドのこと。『ツイマン』は、対のセックス。つまり一対一の対戦で、大勢でやる乱交セックスは『お祭り』と言います。『D』は妊娠で『港』は産婦人科医。<産み>と<海>を、また<荷降ろし>と<子堕ろし>をカケているわけ。『ネルバイト』は寝ながら稼ぐアルバイト。つまり売春。以上をまとめると
「新しい彼氏とセックスをしたら、一回で妊娠しちゃった。だから、堕胎する費用を稼ぐために売春をやってるの」
 ということになるんですネ。

80『稲荷山』 2000/10/01
 よく、女性器は『ハマグリ』に、ペニスは『松茸』に例えられます。両方合わせて『山海の珍味』というわけです。父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し。父は山、母は海というのも、父親には松茸があり、母親はハマグリを持っているからかも知れませんネ。
 さて、最近の国産松茸は貴重品扱いです。韓国や中国産の松茸も出回っていますが、匂いがイマイチ。松茸は、形と匂いが命ですからネ。
 実は『稲荷山』というのは、有名な松茸の産地でした。ここの松茸は形も立派だし、匂いも抜群であることから、松茸の代名詞みたいになったんですネ。つまり、隠語で『稲荷山』というとペニスのこと。
<女湯は 汐干となりは 稲荷山>

81『土手焼きと壺焼き』 2000/10/06
 前回に続いてね若い女性たちが密かに使っている隠語です。
『ウグウグ』と言えば、ズバリセックスのこと。それに『特大サイズ』は、非常に気持ちが良いという意味。つまり『EE』(イーッイーッ)というわけですネ。だから
「昨夜、ウグウグしたら、すごく感じちゃった。もう、気分は特大サイズ……」
 と言えば、昨夜セックスをしたら、とってもイイ気持ちで、満足しきったというわけ。
 さて『土手焼き』とか『壺焼き』なんて言葉もあります。これは怖ァーいリンチのこと。
 ライターなんかを使って、土手に生えてる陰毛を焼いちゃうのが『土手焼き』で、タバコの火などを割れ目の中突っ込んで、アソコを焼くのが『壺焼き』。
 げに、恐ろしきは女性ですネ

82『塀の子』 2000/10/06
 男性器の俗語として、広く使われているのが『マラ』と『ヘノコ』です。『マラ』のほうは麻羅、麻良などの字が当てられ、主に関東地方で多く使われています。一方『ヘノコ』のほうは、関西で広く通用していました。古書によると
「篇乃古。是れはもと睾丸を云える名なるを、何れの比よりか男陰を呼べるようになりて、今は専らしかり……」
 とあります。ここで小咄。お姫様が庭を散歩していると彼女に惚れていた若侍が、自分の燃える思いを姫に伝えようと、塀のフシ穴からペニスをニョッキリと突き出した。それを見た姫が、腰元に「あれは何じゃ」と聞いた。腰元、答えて曰く
「竹の根方に出るのが竹の子。木の根方に出るのが木の子。アレは塀の根方から出てますからきっと『塀の子』でしょう」

83『下の関』 2000/10/06
 ここで言う“関”とは、関所のこと。簡単には通行できないという意味から、女陰を関所に見立てたわけですネ。場所が下のほうにあることから、地名の“下関”をモジッて『下の関』という陰名が使われるようになったんです。
 ところで、この関所は、実に気まぐれでして、ときには簡単に門を開いてくれたり、頑として通行禁止を決め込んだり。男性から見ると、どうにもモヤモヤして計りがたく、得体の知れない関所のように感じますネ。
 そんなわけで、別名『もやもやの関』とか『むにゃむにゃの関』などとも呼ばれています。 ここで、関所に関する小咄。
 雷さまが重箱を下げて、関所通ろうとした。役人が重箱の中をあらためると、ヘソの佃煮が入っていた。そこで
「その佃煮の下を見せろ」
 と役人が聞くと、雷さまは
「ヘソの下は見せられません」

84『糞掻き麻羅』 2000/10/06
“クソカキマラ”と読みます。ちょっと,臭ってきそうな言葉ですが、我慢してくださいネ。ペニスの中でも極上の部類に入るのが、俗に『八寸胴返し』とか『尺八反り』といわれる隆々と上向きに反ったペニスですが、この『糞掻き麻羅』は、まったく逆で、下向きに反り下がっているんですネ。
 このようなペニスで突きまくられると、正常位の場合、膣の下のほうを掻き回されるように圧迫されます。膣の床の部分は、肛門の内部と皮ひとつ隔てるだけ。従って、あまり強く圧迫されると、相手は気持ちが良くなるどころか、行為の途中で便意をもよおしちゃう。
 そんなわけで、このような下反りのペニスを『糞掻き麻羅』と称するんですネ。

85『額(ひたい)』 2000/10/06
『額』というのは、毛の生え際にあることから、秘語では『陰阜』つまり『土手』の意味に使われます。川柳に
<薄いのを 娘気にする 額の毛>
 なんてのがありますが、陰毛が生え始めたばかりの女のコというのは、とかく土手のあたりが気になるものなんですネ。
 さて『額』といえば、こんな民話が残っています。
《ずっと昔、人間は、額の真ん中に性器が付いていた。だが、額では外出したときに都合が悪い。そこで、神様に頼んで他の場所に移して貰うことにした。まず『腋の下』に性器を引っ越しさせたが、ここも、あまり便利じゃない。で、もう一度、神様に頼んで、現在の『股倉』に移動させて貰った》
 つまり、腋の下に陰毛に似た縮れっ毛があるのは、性器がソコにあったときの名残なのだそうです。

86『風呂』
“入る場所”ということから、女性器の秘語として使われています。似たような隠語には『肉風呂』『毛風呂』『三角風呂』『生ま風呂』などがあります。
<据風呂の 加減に指が 二本濡れ>
 『据風呂』というのは<自家用に据え付けられた風呂で、この川柳では、女房や愛人を指しています。ひと風呂浴びる前に、湯加減をみようと彼女の股間をまさぐったら、指が二本濡れちゃった、という意味ですネ。勿論濡れたのは中指と人差し指。
 ところで、皆さんよくご存じのソープランドは、表向きはお風呂に入ってマッサージをして貰う所ですが、実際には、女性の『肉風呂』に漬かって楽しむ所です。いまや、海外にも知れ渡っていますが、さすが、風呂好きの日本人にピッタリの遊び場といえますネ。

87『大根』
 今回は、男性器の陰名をベジタブルで迫ってみましょう。
 よく『太平洋にゴボウ』なんて言いますネ。『ゴボウ』は細いペニスに用いられる隠語ですが、『大根』は大きな男根。つまり、巨大なペニスのことです。 しかし、いくら立派なペニスの持ち主でも、年齢には勝てません。力んでみても、萎びッぱなし。そのような老人のペニスを『ヒネ大根』とか『干大根』などと言います。
 『胡瓜マラ』という秘語もありますが、これは中細りのペニスのこと。イボイボがあって味が良さそうに思えますが、等級では意外と低いランクのペニスなんだそうです。
 また『青唐辛子』は、まだ幼い子供のペニスこと。最近では『ピーマン』なんて呼ぶ人もいるようです。

88『共食い』
 同類がお互いのカラダを食い合うことを『共食い』と言いますが、隠語では、同性同士の食い合い、つまり、レズやホモの性愛行為を指します。
 これが、女子同性愛に限定した隠語になると、『ト一ハ一(といちはいち)』とか『貝合わせ』『双女対食』などと呼ぶんですネ。
 『ト一ハ一』は分解語。ト一が“上”で、ハ一が“下”という字です。つまり『上下』になります。これは性交の形を示したもので、上が男役で、下が女役を意味するわけですネ。
『貝合わせ』は、股間の貝をグリグリと擦り付け合うことから付けられた秘語。『双女対食』は中国から渡ってきた隠語で、読んで字の語とし。
 ちなみに、男性同性愛の場合は『角突き合い』と言います。勿論、角はペニスのこと。

89『車がかり』
 古い兵法で『車がかり』と言えば、波状攻撃をかけること。これが隠語になると、複数で一人の女性を攻撃する“輪姦”になっちゃうんですネ。
 昔の赤線などで遊んだことのある人は、一戦交えた後、女が
「ちょっと、トイレに……」
 と言って部屋を出たきり、朝まで戻ってこなかった……なんてニガい経験をお持ちのはず。これは『回しを取る』と言って女が複数の客を相手にして、部屋を回っているからなんです。
 また、輪姦のことを『回し』とも呼びますが、相手をグルグル回すから『車がかり』と称するわけなんですネ。だから、輪姦にもちゃんと車(輪)という字が付いているでしょう。
 同意の隠語に『念仏講』がありますが、これは、念仏を唱えながら、大数珠を回すから。

90『封切り』
 若い人たちは『封切り』と言えば、ずぐに映画を思い出すでしょうネ。でも、これは江戸時代から使われていた言葉で、本来の意味は、文や書類などの封印を切り破ること。
 そこで『封切り』の隠語ですが、破る……と言えばアレしかありませんネ。そうです。処女膜を突き破ること。
『破瓜』(ハカ)とも言います。この言葉は中国から伝わったもので“瓜”という字を分解すると八が2個で16なりますネ。そこで16歳の生娘を破る……という意味になるんです。
 娼家などでは、処女の女のコが初めて客と接することを『水揚げ』とか『船おろし』と称しています。また、最近の俗語では『進水式』とか『開通式』などがあります。

91『つっこみ』 2000/10/13
 職種によって、独自の隠語があります。今回は警察関係の人たちがよく使う隠語の中から、セックスに関係深いものを、ご紹介しましょう。
 まず『相撲の絵』ですが、コレどんな意味だか判りますか。相撲って、裸で取り組むわけでしょう。だから、裸で絡み合ったエッチな絵や写真、ビニ本の類を、こう呼ぶんですネ。
『つっこみ』は強姦のこと。これは、そのものズバリ。女性のアソコに“突っ込む”から。
 警察の隠語には、字の“片”をとったものも多いんですョ。例えば、強姦ですが、これは『つっこみ』の他に『ユミヘン』とも言います。つまり、強姦の“強”がユミヘンだから。
 これと似たような意味で『サンズイ』と言えば汚職を指し、『ゴンベン』は詐欺を表す隠語になります。

92『チャンコ』 2000/10/13
 今回は、隠語じゃなくて方言です。各地方によって、セックスの呼び方もまちまち。大坂では『オメコ』の他に『ヤチ』とも言います。面白いのが佐賀県の『チョンチョン』とか、石川県の『オチョマ』や、富山県の『チャンベ』、熊本県の『ヒーナ』など。
 福岡県では『ボボ』と言います。プロレスの力道山が全盛時代に、ボボ・ブラジルという強いレスラーがいましたが、地元の新聞社では“ボボ”という字を大見出しを使うのには、ホトホト悩んでしまったそうです。 富山県では『ベベ』と言いますが、同県出身の若い女性が
<赤いベベ着た可愛い金魚……>という童謡を聴いて、急に真っ赤になっちゃった、などという笑い話もあります。新潟県あたりでは『チャンコ』と呼びますから、この地方の女のコの前で
「チャンコ鍋が食べたいナ」
 なんて言うのは禁物ですネ。

93『桃』 2000/10/13
 味覚の秋ですが、味良し、香り良しというのが白桃。トロッと甘くて、頬ッペタが落ちそうなくらい美味です。
 ところで『桃』というのは、古くから女性のアソコを指す隠語として用いられてきました。これは、表面がウブ毛状のもので覆われていて、色や形が女性の下腹部に似ているから。
 元来、桃という字は『木』と『兆』が合体したもの。そして『兆』は形をみても判るように〈二つにパックリ割れる〉という意味を持っているんですネ。
 色のほうでは『桃色遊戯』とか『桃色(ピンク)産業』などという使われ方をしています。
 中国では、月経のことを『桃花』と呼んでいますし、わが国でも、初潮を見た年頃の女のコは『桃割れ』という髪型を結ったものです。上のヘアがが『桃割れ』なら、すでに下のヘアのあたりも『桃割れ』ているというわけですネ。

94『卵子』
 2000/10/13
 最近は海外旅行が盛んになりましたが、言葉の違いが大きな壁。例えば、同じ漢字圏である中国の場合は、ある程度は筆談で通じます。しかし、注意を怠ると、思わぬ失敗をモトになります。
 日本で『愛人』と言えば、恋人とか、二号さんなどを指しますが、中国ではズバリ『妻』のことなんですネ。だから、中国の若い女のコに、うっかり
「ボクの愛人になってヨ」
 なんて言うと、飛んでもないことになります。
 また、日本では、玉子のことを『卵子』なんて書く人がいますが、中国では男性器のこと。『卵』はタマタマで、『子』はサオの意味なんですネ。だから、中国を旅行中、特に女性は
「卵子が食べたい」
 なんて絶対に言わないこと。
 他に、中国では、『娘』と言えば母親。女房は『老婆』。結婚を対象とした恋人は『対象』と言います。

95『ふぐり』 2000/10/13
 陰襄。つまり、タマタマが入っている袋のことですネ。かなり古くから使われていた言葉で、その語源は“膨れた所”という説と“袋”から転訛したのだ、という説があります。また、甲斐性のない男性を『ふぐり無し』なんて言います。これは、ふがいない男のことを
「お前、金玉が付いてんのか」
 なんて呼ぶのと同じですネ。
 さて、ここで、ちょっと趣をかえて『ふぐりの七不思議』をご紹介しましょう。酒宴の席などで、座興として活用してみてください。
「日陰にあれど色黒く、年は若くて皺だらけ、金はあれども通用せず、玉と言えども光なく、ぶらぶらすれども落ちもせず、お供はすれどご門まで、縫い目はあれどもほころびず」

96『腟』と『膣』
『ヴァギナ』は、医学用語として使われる言葉ですが、もとはラテン語で『鞘』という意味。日本で『鞘』といえば、これは完全な隠語で、医学用語としては『腟』という字を使用します。この字は、江戸後期ごろに造られたもので『解体新書』の中に、つぎのよう記されています。
《……(女性のアソコは)男茎容受ノ室ナリ。且ツ胎産及ビ月経通利ノ道ナリ。イマ新タニ字ヲ製シ訳シテ云ウ。室ノ辺傍肉ニ从ウ。音ヲ叱トナス……》
 つまり『室』と『月』(肉月)とをくっ付けて『腟』という字を造り、最初は『叱』(シツ)と読ませたのが、いつの間にか(チツ)と言うようになったわけ。辞書などを見ると『膣』という字が使われていますが、実は、医学用語としては『腟』のほうが正しいんですネ。

97『フィッシング・ポール』
 アメリカ直輸入の隠語を……。
 まずは男性の棒ですが、これは『フイッシング・ポール』なんて言うことが多いようです。日本語に直せば『釣り竿』。これで女のコを釣り上げようってわけ。他にも、よく使われるのが『ロッド』とか『ガン』。
 女性ののアソコは『ホール』や『ボックス』『プシィ』などと呼びます。
 モノが興奮状態の場合は“ホット”という文字を上に付けます。例えば『ホット・ロッド』とか『ホット・ボックス』といった具合ですネ。また、パンツの中がカッカと熱くなってるから『ホット・パンツ』なんて呼ぶこともあります。
 愛液は『ラブ・ジュース』ですが、これは女性のほうだけ。男性の液体は『クリーム』と言うんですネ。

98『尖先生』
 尖(セン)という字は“とがる”とか“鋭い”といった意味があります。だから『尖先生』とは“鋭くとがった人”のことだと思ったら大間違いです。
 尖の字を分解すると、上が小で下が大になります。だから、上半身は子供でも、下は立派な大人。つまり、年齢に似合わず立派なペニスを持っている人を『尖先生』と言うんですネ。
 これと似たような隠語に『大悦』と『天悦』があります。
 大と言う字を分解すると“一人”になりますネ。また、天と言う字は“二人”になります。つまり『大悦』は一人で悦楽にふけることですからオナニーのこと。そして『天悦』のほうは男女が二人で楽しむセックスを指すわけですネ。

99『足袋(タビ)』
『足袋』は読んで字のごとく、足を入れる袋ですネ。この場合の『足』は、男性の真ん中の足のこと。つまり、ペニスを納める袋ということで、女陰を指す隠語として用いられます。
 さて、ここで足袋にまつわる小咄をご紹介しましょう。
《芸者が、持病の発作を起こして、道路の上に仰向けに倒れてしまった。それを見た一人の男が、彼女の足袋を脱がせて股の上に置くと、たちまち彼女は正気に戻ってしまった。こんな場合は、草履をオデコの上に乗せるのが普通。そこで、ヤジ馬たちが不思議がると、その男は
「なァに、ネコにはマタタビが一番効くんだヨ」……》
『芸者』のことを、隠語で『ネコ』といいます。そこで『マタタビ』と『股・足袋』をカケたわけなんですネ。

100『生まれ故郷』

<セガレどこ行く青筋たてて 生まれ故郷にタネ蒔きに……>
 などと言うザレ唄がありますが『生まれ故郷』とは、生まれ落ちた場所のことですから、つまり、女性のアソコです。
 他にも『生まれ在所』とか『ふるさと』なんて呼びます。川柳にも
<ふるさとはみな草深き所なり>
<涙ぐむセガレ故郷を思い出し>
 といった句があります。
 男性にとって『ふるさと』は安息の場所。寂しさを癒してくれたり、カーッとなったセガレの興奮を鎮めてくれる魔法の大地みたいなものですネ。
 しかし、あまり『ふるさと』に頼りきっていると、有り難味は半減してしまいます。
<故郷は遠くにありて想うもの>『生まれ故郷』に詣でるのも、ホドホドにしておきましょう。

101『蓮ッ葉』
2000/10/28
 蓮の葉が水を弾くということから、軽弾みで落ち着きのない女性のことを『蓮ッ葉』と呼ぶのですが、ここには、好色で尻軽な女という意味も含まれているんですネ。
あの『広辞苑』にも《浮気で身持のさだまらないこと》と出ているくらいです。
 だから、それこそ軽弾みに
「隣の奥さんは蓮ッ葉だネ」
 なんて言わないこと。
 貞享三年に出版された『好色一代女』の中にも
《……客馳走のため蓮葉女というものを拵え置きぬ》
 とありますが、江戸時代の京阪の問屋などでは、店にとって大切な客を接待のために、蓮葉女を雇っておき、そうした女性たちにセックスの相手などをさせていたということです。

102『鼻欠け』2000/10/28
 梅毒といえば、昔は恐ろしい不治の病でした。第三期症状になると『鞍鼻』と言って、鼻筋が欠損してくることから、梅毒のことを『鼻欠け』と呼んでいたんですネ。
 もともと、この病気はアメリカ大陸を発見したコロンブスが有り難くないお土産としてヨーロッパに持ち帰ったもので、その後、バスコ・ダ・ガマが東洋に持ち込み、日本には永正九年(1512年)ごろに輸入されて、大流行をしました。
 江戸時代には、なんと90lの人たちが梅毒にかかっていたそうで、徳川秀康、加藤清正、浅野長政などは、この病気が原因で死んだと言われています。また、当時の夜鷹などには『鼻欠け』が多かったので、川柳にも
《鷹の名にお花お千代はきつい事》
 なんてのがあります。勿論“お花お千代”とは“お鼻落ちよ”に掛けたものですネ。

103『角力』2000/10/28
 若貴ブームも去って、大相撲は淋しい限りですが、隠語の世界では、セックスすることを『角力を取る』なんて言うんですネ。
 勿論、裸で絡み合うことから、そう呼ばれるようになったわけですが、他に『夜角力』とか『取り組み』『組み打ち』などとも言います。
 古典体位の『四十八手』も、実は、相撲の“組み技”にあやかったものなんですネ。だから『肩すかし』とか『向う突き』『逆とったり』などといった、相撲の技に似たような名前の体位が多いんです。
 ちなみに『女角力』と言えば、女性同士の同性愛を指します。
 また、最近の若い人たちは、相撲よりもプロレスのほうがピッタリくるらしく、『愛のプロレス』とか『夜のプロレス』なんて呼ぶ人もいるようですが、なんだかピンときませんネ。

104『ススキ』2000/10/28
 紅葉の季節ですが、山すそに広がる金色のススキ原も美しいものです。
 さて、ススキと言えば、お月見に欠かせないものですが、隠語の『ススキ』は“薄い陰毛”を意味します。。
《月を見る頃には芒(ススキ) 土手に生え》
 この川柳に出てくる『月』とは、女性の初潮のこと。つまり少女が14ー15歳になって初潮をみる頃には、股間の土手に薄ッすらと陰毛が生えてくる…という意味なんですネ。
 さて『ススキ』は薄毛を指す隠語ですが『稗(ヒエ)』と言うと、濃くも薄くもない、ごく標準型の陰毛を指します。そしてモジャモジャしたジャングルみたいなヘアは『藪(ヤブ)』と呼び分けるんですネ。

105『逆さ舟』2000/10/28
 女性の性器は、舟に例えられることが多いようです。 これは『乗せて漕ぐ』という意味の他に、女陰の形が舟に似ているからなんですネ。でも、前から覗き込んだのでは、とても舟の形には見えません。しかし、前屈みになった女性の後方からアソコを見ると、クッキリと舟形になっているのが判ります。
 そんなわけで『逆さ舟』というのは、バックから見た女性器を指す隠語なんですネ。 他にも『舟玉様』とか『舟後光』などの類語があります。
 また『舟おろし』と言えば進水式のことで、これは初交のこと。『破船』と言えば、傷を負ってしまったり、コシケや性病にかかった女陰のことで、それを治療するお医者さんのことを、戯隠語では『船大工』と言います

106『のしこし山』
2000/11/04

 子供の頃に《左カーブ、右カーブ、真ん中通ってストライク……》 と言いながら、女性器の略画を描いて遊んだ、なんて経験をお持ちの人も多いと思います。
 実は、それの男性版が『のしこし山』なんですネ。試しに描いてみましょう。まず、最初の『の』の字が亀頭の部分になります。二ッの『し』の字はサオの両サイドで『こ』の字が横シワになり、一番下に付く『山』の字がタマタマです。
 ホラ、立派な男性器が描き上がったでしょう。そんなわけで『のしこし山』と言えば、男の性器を指すの隠語なんですネ。
〈お局は、“のしこし”ばかり、 山はなし〉
 大奥は男子禁制。そこで張形を使う局が多かったのですが、張形には玉(山)の部分がないので『のしこし』だけ。

107『猿候』(えんこう)2000/11/04
 『猿候』とはサルのこと。サルというのは、顔も赤いけど、お尻は真ッ赤ですネ。そこで、女性のお尻のあたりが赤く染まる月経時を『猿候』といいます。
 また『猿候』を二つに分け、人の名前に模して『おえん』とか『おこう』と呼ぶのも、月経を指す隠語というわけ。
 さしずめ、現代の若い女のコが使うとしたら
「実は私、今夜は“モンキーちゃん”なの。残念だけどセックスはお預けヨ」
 なんて言うことになるんでしょうネ。
 他に、メンスのことを隠語で『赤団子』とも言います。
〈赤団子だよに伜は泣き寝入り〉
 また『金魚』と呼ぶこともあります。これは、メンスも金魚も“赤くて食えないから”という意味なんですネ。

108『洗濯ボボ』2000/11/04
 女陰のことを『ボボ』と言うのは、先刻ご存じのことと思います。漢字で書くと『開』または『菩々』になるのですが、ボボにも色々な種類があります。その中から、今回は賑やかなボボをご紹介しましょう。
 まずは『洗濯ボボ』ですが、これはセックスをしているときに、ビチャピチャと音を発する女陰のことです。
 さらに大きな音を出す女陰のことを『雷ボボ』と言います。
 江戸時代に出版された『女大楽宝開』によると
《かみなりとは、開中にて鳴りひびくなり……》と書いてあります。多分、腰を動かす度にゴロゴロと鳴るんでしょうネ。
 また『はしゃぎボボ』と言って、とても賑やかそうな女陰がありますが“はしゃぐ”とは乾燥したという意味。このボボは音とは関係ありません。

109『幕の内』2000/11/04
 女性の股倉を指す隠語に『奥の院』という言葉があります。
〈本尊は 濡れ仏なり 奥の院〉
〈片膝を 立てていびつな 奥の院〉
 と川柳にも数多く詠み込まれています。
 この『奥の院』の類語が『幕の内』で、これは、女性の腰巻きを幕に見立てているんです。
 『奥の院』は、扉の奥の御本尊という意味で、『幕の内』は、腰巻きの内側と言うわけ。
 ちなみに、色街で『幕の内』と言えば、小さな握り飯のことを指します。つまり〈小結だから〉とシャレたわけです。ですから、小さな握り飯が入っている弁当を『幕の内弁当』なんて言うんですネ。ただし、一説によれば、芝居の幕の間に食べる弁当だから『幕の内』だと言う人もいます。

110『笑む』(えむ)2000/11/04
 『笑』という字には、〈花がほころび開く〉という意味があるんですネ。ここまで言えば、賢明な諸君は『笑』の隠語がナニであるか、お気付きでしょう。そうです。『笑める所』とは、女性器のことなんですネ。
 昔は『笑い本』と言えば、艶書のことでした。『艶笑話』なんて言葉もあります。『笑い道具』と言えば、秘具のこと。つまり“大人のオモチャ”です。また、売春を『売笑』と言ったりします。だから「女性が微笑む」なんて何気ない言葉も、考えようによっては実に卑猥ですネ。ところで、さのさ節の替え唄に、こんな文句があります。
〈おそそ変なもんだネ、おそそ変なもんだ、座れば笑う。立てば澄まして口すぼめ、立ち膝すればねェべっかんこする、あぐらかきャ大口開いて大笑い〉

111『青大将と蟇(ガマ)』 2000/11/09
 男根の種類に『筋マラ』というのがあります。これは、硬く反り上がって、青筋が立っているペニスのことです。等級でも上位にランクされるもので、別名『青大将』とも言います。
 さて、男性器が蛇なら、女性器のほうは『蟇』です。
<置炬燵蟇とおろちの睨み合い>
 この勝負、どちらが勝と思いますか。正解は蟇。蛇は蟇に呑み込まれてしまいますからネ。
 また、入口が広い女陰を『蟇口』なんて呼んだりします。旅館などでは、女性の1人客のことを『がまピン』と言います。こういう客は、後から男性が訪ねてくるので、またの名を『友引き』と言うんですネ。
 ちなみに、男性と一緒に来る客は『土壜付き』と称します。これは、土壜の注ぎ口が男根に似ているからです。

112『へこたれる』 2000/11/09
『衆道』というのは、男同士の性愛のことで、応仁時代から元禄・享保の頃まで、なかば公然と行われていました。いわゆるホモ・セクシャルです。 織田信長が、森蘭丸という美少年の小姓を寵愛していたことは有名ですネ。
 豊臣秀吉のほうは女一筋。寝所に小姓を呼んでも、抱くようなことはせず
「そちには、姉か妹はおるか」 
 と聞きまくったそうです。
『衆道』の類語には、男色、おかま、若道、かげま、筍(たけのこ)などがあります。
『筍』は、年を取ったのは喰えない、という意味なんですネ。
 また、男色を売る少年を『都子』(へこ)と言い、この都子に狂って金を使い果たすことを、『都子倒れ』と呼びました。
 これが『へこたれる』という言葉の始まりだと言われています。

113『おっかぶせ』 2000/11/09
 よく〈据え膳喰わぬは男の恥〉と言います。ここで言う『据え膳』とは、女性のほうからセックスを持ちかけること。これを断ったのでは、女性に失礼。せっかくの御馳走ですから、有り難く頂戴するのが男の勤めというものですネ。
 ところで『据え膳』の場合、女性がセックスの主導権をとり勝ちですから、体位も騎乗位が多くなります。つまり、仰向けに寝た男性の腰の上に女性が跨る体位。これを、俗に『おっかぶせ』と言うんですネ。
 アソコをペニスの上からおっかぶせるようにして挿入するから、この名前が付けられました。
 また『投網』とも言います。これはペニスを魚に見立てて、上からかぶせて掬い採るから。
 他にも『笠伏せ』とか『茶臼』などという異名があります。

114『しし』 2000/11/09
 女性の股間を『谷間』なんて呼びます。どんな谷間かと言うと、別名『しし谷』。オシッコが出る谷間だから『シシ谷』だという意味と、獅子舞のおししの口がパクパクしていて女陰に似ているから、この両方を兼ねて『しし谷』と言うんですネ。
 また、猪のことも『しし』と呼びますが、こちらは男性の性器を指す隠語になります。男のアレは、興奮すると鼻息を荒くして猪突盲進するからなんですネ。
 つまり、読みは同じでも『獅子』は女性で『猪』は男性。対象はまるで正反対になります。
 ちなみに、石川県の山中温泉では、昔からダルマ芸者のこと『しし』と呼んでいました。
<鉄砲かついで来た山中で、 ししも撃たずに帰るのか>
 と山中節にも歌われていますが、この『しし』は、現在でも山中温泉に生息しています。

115『ハーモニカ』 2000/11/09
 男性のペニスを女性がオシャブリするのは『尺八』ですネ。逆に、男性が女性のアソコを舐め回すのを『ハーモニカ』と言いますが、これは、穴に口を押し当てて、吹いたり吸ったりするからなんです。尺八は江戸時代からある隠語ですが、ハーモニカのほうは大正時代ごろから使われた俗語。尺八が楽器だから、対比的にハーモニカという当時はまた耳新しい楽器を持ってきたんですネ。
 古典四十八手では『片男波』と言います。
 また『花いけ』とか『床柱』とも称しますが、これは〈鼻息がかかる〉というシャレから出来た俗語。
 中国では『喫花椒』(キッカショウ)と言います。花の香りを喫するという意味です。
他にも『饅頭喰い』とか『舌人形』『菊頂き』など、いろいろな俗語が付けられています。

116『ナオンをカケシする』 2000/11/14
 芸能界ではよく“逆さ言葉”を使います。これ、もともとはバンドマンの隠語で、正確に逆さ読みにするのではなく
“変形逆さ読み”なんですネ。例えば『オンナ』は『ナンオ』ではなく『ナオン』になります。
 『カケシ』と言えば『仕掛け』のこと。女性を誘惑するための仕掛けで、つまり、ナンパをするという意味。
 連れ込みホテルのことは『リョカン』の反対だから『カンリョ』ですネ。
 またセックスのことは、ナニの逆さ言葉ですから『コーマン』になります。ですから
「ナオンをカケシして、カンリョでコーマンしたい」
 という言葉を翻訳すると
「女のコをナンパして、旅館に連れ込んでセックスをしたい」
 てな意味になるんですネ。

117『へのこ』 2000/11/14
 漢字では『篇乃古』と書きます。性欲の発生源ということで『火の凝り』と言っていたのが転訛したのだそうです。
もともとは、睾丸のほうを『へのこ』と呼んでいたのですが、いつの頃からかペニスの代名詞になっちゃったんですネ。
<なりも似て、一字違いは、きのこなり>
 『きのこ』と『へのこ』は、形が似ていて、しかも読みも一字違いだという句。
 茸といえば『松茸』もペニスの隠語としてよく使われます。 ここで小咄をひとつ。
 家事見習い中の娘が、不意の客がきたので、松茸の吸い物を作って出しました。ところが、お碗の中には、
松茸が丸ごと入っています。
「裂かずに料理したんじゃ、中まで煮えないでしょう」
 と女将がたしなめると、娘は
「でも、みなさんな、よく似てる(煮てる)と言ってました」

118『小町娘』 2000/11/14
 『小町娘』と言えば、美人の代表で、さしずめ『ミス○○』なんてとこですネ。
しかし、隠語で『小町』と言えば、鎖陰を指します。つまり、股倉の穴が塞がっているわけ。
 これは、深草少将の連夜に及ぶ求愛を、小町がキッパリ断ったので
「彼女には穴がないんだろう」
 なんて噂が立ったため。
 穴のない留針を『小町針』と呼ぶのも、そんな理由からなんです。
 さて『鎖陰』という名前は、世界で最初に麻酔手術をした、華岡青洲が名付けたもの。
青洲は鎖陰の手術を数多く手がけていますが、麻酔手術をする前は、大豆を使っていたそうです。
 鎖陰といっても、多少は穴があいているので、その中に乾いた大豆を詰めた小さな袋を押し込むわけ。
その大豆が愛液を吸って膨張し、狭い膣を押し広げてたんですネ。
 こんな簡単な方法で、逆に、広い穴を狭く出来ないものでしょうか。

119『閂開』 2000/11/14
 〈カンヌキボボ〉と読みます。カンヌキと言うのは、門や扉などが開かないようにする横木のこと。
隠語のでは、古い書物によると〈陰門の上に横骨のあるもの〉と記されています。
 これは、恥骨が異常なほど下のほうあって、膣の入口を塞いでいるわけですネ。
 またの名を『戸立て開』と言います。
 生まれつきガッチリと戸締まりがしてあるわけで、こういう女性に貞操帯は無用……と思いきや、
世の中には執念深い男がいるものです。
<豆泥が こぢって入る 戸立開>
 豆は女陰のこと。つまり、夜這いをしたのはいいが、相手の女性は戸立て開。
そこで、彼女の門戸を無理矢理こじ開けて挿入したというわけ。
 『閂開』は鎖陰と違って、挿入は難しいけど無理をすれば入るんですネ。

120『セキレイ台』 2000/11/14
 正常位でセックスをするときに、女性の腰の下にいれる小枕のこと。昔の人は、このような専用の枕を使用して、
セックスを楽しんでいたんですネ。座布団を二つ折り、または四つ折りにして腰の下に敷いてもよいのですが、
こうすると、腰が高くなって、より深い挿入感が得られるわけです。
 セキレイは、尾を上下にピクピクと振る習性があり、その格好がファックをしている状態に似ているので
『セキレイ台』という名が付けられたんですネ。
 『日本書紀』には、二柱の神がセックスをしようとしたが、その方法が判らない。
そこにセキレイが飛んできて尾を動かしたんで、そこからセックスの方法を学んだ……とあります。
 つまりセキレイは、神様に和合の法を教えたエライ鳥なんですネ。

121『義兄弟』 2000/11/18
♪ 親の血を引く兄弟よりも
  かたい契りの義兄弟……
 ご存知、北島三郎のヒット曲『兄弟仁義』の一節ですネ。これは仁侠の世界を歌ったものですが、隠語で『義兄弟』と言えばホモの恋人同士のことです。
 江戸時代の性教科書『色道実娯教』の中に
《尻さす者を兄弟とす》
 とありますし、また『衆道秘伝』にも
《衆道というは、双方より思いをかけて親しみ深く兄弟の約をなせしこと》
 と書いてあります。勿論『衆道』とは男子の同性愛のことです。
 中国の古い隠語では、ホモのことを『地兄弟』や『把兄弟』などと呼んでいたようです。
 ちなみに『マラ兄弟』なんて言葉がありますが、こちらは同性愛とは関係がありません。同じ女性の穴ボコを突ッつき合った男たちのことなんですネ。

122『太十(タジュウ)』 2000/11/18
<渓谷を朱色に染める紅葉かな>
 もう、紅葉の季節も終わりに近いですが、一句ひねってみました。如何がでしょうか。 実は『紅葉』というのはメンスを指す隠語です。そのことを頭にいれて、この句を見ていただくと、ほら、違った趣があるでしょう。
 さて、今回は『太十』と言う隠語ですが、これは『太閤記十段目』を縮めた言葉。この十段目には明智光秀が登場します。そこで『明智光秀』を『赤血満飛出』とシャレたわけ。つまり《赤い血が満ちて飛び出る》ということで、月経を指す隠語。『河内山』という言葉も生理を現す隠語で、これは、河内山宗俊が好んでまとっていた《緋の衣》に由来します。
 最近では《お尻が赤い》ということで『テールランプ』などと呼ばれたりしています。

123『米押しダルマ』 2000/11/18
《タケヤブヤケタ》と言えば、上から読んでも下から読んでも同じ言葉ですが、今回は、逆さから読むと卑猥な意味になる言葉をご紹介しましょう。 まずは
《米押しダルマ》
 ですが、説明する必要はないでしょう。要するに“露出症”ということですネ。
《鯛釣り舟に米をひさぐ》
 これは、最後の『ぐ』の濁点をとって、旧かな使いのように『ひ』を『い』と発音してください。すごく勇気のいる行為だと思いますヨ。
《ママ立つササニシキの米を買いたい買いたい》
 おマンマを炊いたとき、飯粒が縦に立つような、そんな米を買いたい……というのですが、逆に読むと、いったい何が刺さっているんでしょうネ。

124『らりるれろ』 2000/11/20
 これは、言葉のお遊びです。川柳に
《らりるれろ 舌が上あご たたくなり》
 と言う句がありますが、たしかに“ラ行”を発音すると、チョンチョンと舌が上アゴにぶつかりますネ。
これが下の口だとしたら、上アゴはクリトリスのことです。
 つまり『らりるれろ』とは、性器への舌技を指すわけです
 この手の川柳をもう少しご紹介しましょう。
《らりるれろたちつてとゆえ さしすせそ》
 これは、性器愛撫をしているうちに、アソコが立ってきたので挿入した……というわけ。
《かきくけこ 女中に後を 言わせてみ》
 勿論、後の言葉というのは『さしすせそ』です。
《はひふへほ 腹の立つ日の音でなし》
 これはセックスとは無関係。笑いの言葉は、すべて“ハ行”だということです。

125『ぬか袋』 2000/11/20
 男性のタマタマが入っている袋を、隠語で『ぬか袋』と言います。
 明治時代には、石鹸の代用品として、糠が入った小さな袋を銭湯で売っていました。
この『ぬか袋』は形も感触も男性のフクロにソックリ。それで、このような隠語が生まれたんですネ。
<糠袋頑張って下女腰が抜け>
 セックスの秘法に、タマタマまで割れ目の中に押し込んじゃうというのがあります。この秘法で頑張ったら、
女があまりの快感に腰が抜けてしまったという句。
 ところで、狸のタマタマは八畳敷と言いますが、これは金箔を作るときに狸の皮を敷いて打ち延ばすと、
一匁の金が八畳ほどに広がったから。そんなわけで『狸の金箔』と言ったのが『狸の金玉』になってしまったんですネ。
実際の狸の陰襄は、いっぱいに広げても3寸程度です。

126『串刺し』 2000/11/20
 この場合の『串』は、男性のペニスのこと。つまり、1本の串で何人もの女性を相手にすることを
『串刺し』と言うんですネ。
 ソープランドでは、1人の客に2人とか3人の女性が相手を勤めてくれる『二輪車』や『三輪車』という遊びがありますが、
こうしたプレイも『串刺し』と言っていいでしょうネ。
 さて、男性が1人で複数の女性を相手にするには、どうするか。
『衛生秘要抄』には女性が2人の場合、1人を仰向けに、もう1人を腹這いにさせて、両方の穴を上下に攻める……
と書かれています。
 また『実娯教絵抄』の中には《五室を犯す》として、男性がペニスと両手両足で5人の女性を相手にしている秘画を
載せていますが、一度でいいから、このような御法を実行してみたいものですネ。

127『針箱』 2000/11/15
 現在では、コンピューター内蔵のミシンなどという便利なものがありますが、ひと昔前までは、針仕事が出来ない女性は一人前とは言われませんでした。だから、女性は各人が自分専用の『針箱』を持っていたものです。
 ところで、針は、刺す道具ですネ。そこで、同じ<刺す道具>であるペニスのことを隠語で『針』と言い、その針を入れる器の『針箱』は、隠語で女陰を指すというわけです。
 また、針仕事専門に雇い入れた女性を『針妙』と言います。この『妙』は、分解して少女のこと。その昔、女人禁制の寺院などでは、針仕事をさせるという名目で『針妙』を寺に引き入れる生グサ坊主が多かったそうです。
 坊主も人の子。この道ばかりは、シンミョウに出来なかったというわけですネ。

128『ヨコハマに行く』 2000/11/25
 『キジ撃ち』と言えばトイレで用を足すのこと。これは、茂みに隠れてキジを撃つ姿がトイレにしゃがんでいる格好に似ているからです。
古来、トイレの隠語は数多くありますが、今回は現代のナウい女のコたちが使っている隠語を、二、三ご紹介しましょう。
 まずは、原宿や六本木などのオシャレな店に勤めているギャルたちがよく使う言葉で『一一〇番』……。
 これは数字の《一一〇》をト、イ、レと読ませたもの。
 つぎは『ヨコハマに行く』という隠語だけど、横浜の市外局番は《045》。これをオ、シッ、コとシャレたわけですネ。
 最後は、若いOLたちの間で使われている言葉で『録音室』ですが、こちらの意味は、要するに《音入れ》(オトイレ)だから…。

129『紅襷』(ベニダスキ) 2000/11/25
 赤いタスキといえば、茶摘み娘の姿を想像しますが、ここにあげた『紅襷』とは、月経帯のこと。つまり、生理用のナプキンですが、昔の女性はパンティを覆いていなかったので、生理帯を付けるのにも苦労をしたようです。
 落ちないようにヒモで固定するわけですが、その様がタスキ掛けに似ていたので、このような隠語で呼ばれたんですネ。 ず、半紙をタテに八ッ折りにして、中央の割れ目が当たる部分に柔紙を二、三枚巻き付け、帯状になった両端に紐をつけて腰に結びます。
 馬の手綱にも似ているので『お馬』とも呼ばれました。お隣の中国でも、生理帯の隠語として『騎馬帯』という言葉が使われています。

130『しじみ』 2000/11/29
 感度に鈍い女性器のこと。つまり、冷感症とか不感症の女陰ですネ。
 もともと『しじみ』というのは、幼い少女の性器を指します。これが年頃のなると『ハマグリ』で、つぎは『赤貝』。
年増になると『烏貝』『ほら貝』といった具合に、年齢と共に、女陰の名称も変化するんですネ。
 さて、少女の女陰名である『しじみ』が、なぜ感度の鈍い女性器の隠語として使われたかというと、少女のアソコは未熟で、性的経験も浅く、あまり快感反応がないからなんですネ。
 他にも、感度の鈍い女陰の隠語で『清水ボボ』というのがありますが、これは、膣の中が清水のように冷たいという意味。

131『くるみ割り』 2000/11/29
 ペニスがち切れそうになるくらい強烈に締め付ける女陰を、ヨーロッパでは『くるみ割り』と呼んでいます。
 これは、括約筋が極度に発達した女性に多いのですが、わが国で言う『キンチャク』と同類です。
 日本の場合は、入口が締まるのを『キンチャク』と呼び、穴の奥が締まるのを『タコ壺』と称して区別していますが、この『くるみ割り』のほうは、両方をひっくるめた総称です。
 入口の収縮力を強めるのは、訓練によって可能です。
 インドの“タラント・ヨーガ”を修得した女性のアソコは、ほとんどが『くるみ割り』だそうです。
 ちなみに『印伝の巾着』と言えば、インド伝来の毛皮の巾着のことで、隠語では、毛が生えた<巾着ボボ>を指します。